このシリーズでは、TOEICテストで900点以上を取得したTOEIC上級者の勉強法を公開します。
今回はTOEICスコア925点の「hiromi20さん」が、ご自身の経験を元にTOEICテストで900点を達成するための勉強法を解説します。
目次
中高年が本気でTOEIC900点をとる方法
このブログの対象は、TOEICで900点突破を目指す全ての人です。しかし、筆者は特に40代半ば以上の中高年の方に読んでいただきたいと思ってこのブログを書きました。
筆者は現在(2018年12月)50歳ですが、TOEIC990点満点を目指して日々リスニングやリーディングの問題と格闘しています。
そんな筆者の経験を踏まえて、900点を目指す読者の皆さんのお役に立てるような情報を、このブログから発信・共有していきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。
TOEICの「傾向と対策」
TOEICのスコアで900点を取るには、まず出題傾向を的確に把握することが最も重要です。例えば英検1級の試験問題にみられるような難易度の高い単語は、TOEICには絶対と言って良いほど出題されません。TOEICに頻出する単語・熟語や文法項目だけをマスターすれば良いのです。
特に3か月あるいは1か月などの短期間で目標スコアを達成したいのであれば、「選択と集中が必要不可欠になってきます。後でご紹介するTOEIC用の単語集や、パート毎の問題集に出てきた頻出項目だけ取り組むようにしましょう。
これも色々な書籍やウェブサイトでしばしば書かれていることですが、TOEICには「リサイクル問題」があると言われています。つまり、「リサイクル問題」とは一度出題された問題が、一定の時間をおいてから別の公開テストで再度出題されるということです。
以上のようにTOEICの出題傾向に精通し、頻出する単語・熟語や文法に関する問題演習を徹底的に行えば、高い確率で高得点が可能であると言えます。
換言すれば、比較的易しい問題および標準的な難易度の問題で取りこぼさずに、難易度高いの問題で得点を積み上げることが出来れば高得点が期待できます。
では具体的にどのように準備・勉強を進めれば良いのでしょうか?この点について以降のパラグラフで考えていきましょう。
自分流の「正答回路」の確立
900点突破のために「傾向と対策」の次に取り組むべき点は、自分自身の「正答回路」、つまり効率的に正答を導き出すための自分流の解答スタイルを確立することです。
例えばPart5については、全文を読まずに解ける設問は数秒以内で解答し、一方、文脈の流れで答えを導き出す設問は、時間をかけて慎重に解くという判断が必要です。
Part7では設問にざっと目を通してキーワードや必要な情報を頭に入れてから、問題文を通読するのが良いと思います。
リーディングセクション(Part5~Part7)では初心者はもちろん、中級者でも制限時間内に全ての問題を解答できないというケースが少なくありません。
このような失敗を防ぎつつ、基本的な問題および標準的な問題を素早く取りこぼすことなく、確実に得点するためにお勧めしたいのは、各パート毎に自分流の解答の方法(スタイル)を確立することです。
ご参考までにですが、下の表1は筆者が各パートで解答する際に心掛けている点です。つまり、筆者の「正答回路」の一部です。あくまで一例ですが、ご参考となれば幸いです。
Part1 | ①Part1独特の不自然な表現に慣れる。②「受け身の進行形」と「受け身の完了形」を区別する。③日々のディクテーションの練習によって正解データベースを構築する |
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Part2 | ①「素直ではないレスポンス」に慣れる。②「疑問形ではない発言に対するレスポンス」に慣れる |
Part3 | ①設問(及びグラフィック)を先読みし、ポイントを絞って質問(音声)を聞く。②正答の根拠が一度しか登場しない問題に注意する |
Part4 | |
Part5 | 文脈・文法・語法などの視点から正解を見つけ出す |
Part6 | ①問題文を最初から最後まで読む。②文挿入問題では、空所の前後を繋げるキーワードを意識する。③Delayed Clue問題(正答の根拠が空所から少し離れた所にある)問題に注意する |
Part7 | ①読解するパターンを確立する。②正答の根拠を発見するトレーニングを欠かさない |
(注)『TOEIC L&Rテスト990点攻略』(旺文社)などを基に筆者作成
TOEIC勉強法&おすすめTOEIC教材
筆者のお薦め参考書やアプリ、勉強法および模試の活用方法をご紹介します。これらはいずれも、自分自身の「正答回路」の確立には欠かせないプロセスだと思いますので、是非参考にしてください。
効率的な学習方法
自分流の「正答回路」の確立するためには具体的に何をすれば良いのでしょうか?。その答えを単純に言えば、自分に合った効果的・効率的な学習方法を見つけ出し、かつ自分に合った(できれば学習者の間で定評のある)参考書を選んで活用することです。
学習方法としては、リスニングセクション(Part1~Part4)ではCD等の英語音声を聞き、聞こえた文を紙に書き取っていくという勉強法、いわゆるディクテーションが有効です。
ディクテーションに慣れていない方は、まず日々の学習で比較的容易な内容の文章を聞き取ることから始めて、徐々に実際よりも早く録音された音声を聞くとリスニングセクションへの対応力が向上します。
一方リーディングセクション(Part5~Part7)では、まず全問を解答できる能力を身につける必要があり、そのためにはボキャブラリー(語彙)を増やすことが重要です。
TOEICの問題を解く際に「見たことがない」単語や熟語がないレベルまで高めるように頑張ってください。そのうえで、とにかく多くの問題を解いて自分なりの「正解データベース」を構築することも重要です。
余談ですが、もう20年以上前のことですが、筆者自身もTOEIC900点の「壁」に直面して思い悩んだ時期がありました。私がこの「壁」を突破する前に真剣に取り組んだのは、TOEICの頻出単語と熟語を繰り返し見直す作業でした。
ちなみにボキャブラリーの増強はリーディングだけでなく、リスニング対策としても高い効果がありますので是非取り組んでみてください。
おすすめの参考書およびアプリ
改訂版キクタンTOEIC TEST SCORE 990
・アルク、価格1,728円(2016/6/29)
TOEIC900点を取るためのボキャブラリーのレベルにピッタリの単語帳です。各単語に例文がついています。ただ単に暗記するのは苦痛ですので、付属のCDを活用しましょう。
TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)
・アルク、価格961円(2017/1/6)
この著書の筆者で、TOEIC学習者の中では有名なTEX加藤氏が「この中の単語で、TOEICに出ない単語はひとつもない
と豪語している単語集です。レベル別の内容なので、筆者は主に860点レベルと990点レベルに取り組みました。
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
・アスク、価格2,300円(2017/6/10)
学習者の間で非常に評価の高い参考書です。TOEICの実際の問題の質・レベルにかなり近いと言われています。筆者も繰り返し解いています。
TOEICテスト究極のゼミPART 5語彙・語法【超上級編】
・アルク、価格2,592円(2014/11/20)
お馴染みの「究極のゼミ」シリーズです。「超上級編」というだけあって、なかなかの難問ぞろいです。筆者は「One or Both問題」で苦戦しました。
TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リーディング
・ジャパンタイムス、価格2,052円(2017/2/25)
こちらも、学習者の間で定評のある参考書です。問題数が多い(500問)のですが、筆者はこの問題集を繰り返し解いています。
TOEIC(R)テスト990点 新・全方位リーディング
・ジャパンタイムス、価格2,160円(2017/6/1)
難問ぞろいですが、「高地トレーニング」で読むスピードを向上させるには良い問題がそろっていると思います。
TOEIC(R)テスト990点 新・全方位リスニング
・ジャパンタイムス、価格2,160円(2017/12/2)
こちらも「高地トレーニング」です。問題文が、実際のテストのそれよりも長く、例えば7つの選択肢から3つないし4つの正解を選ぶ問題など、リスニング力を鍛えるには良い問題がそろっていると思います。
TOEIC(R) L & R テスト 究極のゼミ Part 3 & 4
・アルク、価格1,728円(2017/1/25)
難しい言われるPart3およびPart4対策として、よくまとまっていて学習しやすい参考書です。なお、筆者はこのシリーズの他のパート用のものも愛用しています。
TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問
・アルク、価格2,600円(2017/7/21)
実践対策としては『公式問題集』をお勧めしますが、それ以外ではこの問題集が良いと思います。難易度は本番よりもやや高めで、解説が詳しいのでお勧めします。
TOEIC L&Rテスト990点攻略 改訂版: 新形式問題対応
・旺文社、価格2,484円(2017/7/18)
筆者が最も長く使っているのは、実はこの問題集です。濱崎氏の解説がとてもわかり易いので繰り返し読んでいます。ちなみに、前出の表2は、実はこの問題集の内容をベースにしたものです。
通勤時、休日・週末の勉強法
学習とは反復の訓練であり、復習することが長期記憶への移行の鍵だと思います。これは年齢に関係なく言えることだと思います。以前、私は通勤時は音楽を聴いていましたが、現在は、スマホにインストールしたアプリを往復電車内で使って、徹底的に耳から聞く学習に費やすと決心しました(休日も、スタバなどでアプリに取り組みました)。
まず私が実際にやったことは、単語学習のアプリや一度解答したリスニングの問題(アプリ)を繰り返し聞き続けるということでした。
このとき重要な点は聞き流すのではなく、リスニング問題のスクリプトを参照しながら細かな点まで注意深く何度も聞きました。そしてもしも運よく電車内で席に座れた場合、是非ディクテーションにトライしてみてしてください。リスニングだけでなくリーディングの対策としても有効だと思います。
模試の徹底活用
模試の徹底的に活用する方法について書きます。
【1】本番と同じ形式の模試を繰り返し解いて試験を俯瞰する
「傾向と対策」などの基本的な知識と解答のテクニックが身についてきたと思ったら、次の段階では本番と同様の形式の問題を解くトレーニングを積むことをお勧めします。
Part1からPart7を通して解くことで、個別の学習では見えない「大局的な視点」で試験を俯瞰することできるようになるからです。それは、多くの困難な練習を耐え抜いてきたマラソンランナーが本番前に同じコースを試走することに似ているかもしれません。
リスニングセクションでは、集中力を45分間持続して聞き取れるかどうかが重要です。リーディングセクションでは、事前に考えた時間配分どおりに解答できるかが肝要です。
もちろん問題には「比較的易しいもの」「標準的なもの」「難易度の高いもの」がありますので、場合によっては「難易度の高いもの」は思い切って捨てるなどの判断をして確実に得点をする必要があります。
TOEICは全体で2時間を超える長い試験です。重要なポイントは、リスニングでは問題を聞き逃したときに上手く気持ちを切り替えて次の問題に取り組めるか、リーディングでは自分のプラン通りに問題を解き進められるかという点です。
試験中の心理状態が結果に大きな影響を及ぼすことを念頭において、こうしたトレーニングの一環として模試に取り組むことは非常に有効です。
【2】スコアアップのためには模試の「復習」が最重要!
模試の問題を通して解いてみると自分の弱点を明確に把握することができます。また、それまであまり取り組めていなかった学習事項にも気付くでしょう。
例えばリスニングでは、「登場人物が3人の会話の問題」「リーディングのPart5の時制や前置詞に関する文法問題」「Part7の3つの文書を参照する読解問題」など、自分の弱点を具体的に把握することができますし、その対策を講じることも可能です。
模試で間違えた問題を復習すれば、短期間で「補強」が可能ですし、得点力を確実に向上することが可能です。
逆にいえば、模試は復習をしてこそ意味があると言えますので、「模試を解く⇒復習する」というパターンを何度も繰り返すことが重要です。
【3】模試の復習のためには余裕を持ったスケジューリングが重要!
先述したとおり、模試の問題を解いた後は、間違えた問題を復習することが肝要です。このため、できればTOEICの実施日の3~4週間前に一度模試を解くことをお勧めします。
仕事をしながらTOEICの900点を目指しておられる方は、できれば毎週一度ずつ、週末など休日に「模試を解く⇒復習する」というパターンを繰り返すと良いと思います。
【4】失敗の疑似体験を通じて「修正能力」を高める
大小はともかく、誰でも試験で失敗した経験があるはずです。筆者自身も例えば、TOEICのリスニングセクションで集中力が切れたためにその設問が解けず、その後も上手く気持ちを切り替えられなかったために、続く設問を解けなかったという苦い経験が何度もあります。
しかし、こうした失敗を模試で経験しておけば、「修正能力」を高めることが可能です。つまり、本番で同様の失敗をある程度防止できるので、結果的に得点力の向上にもつながります。
【5】繰り返し取り組むことによって、出題の傾向や頻出の単語・熟語をマスターする
TOEICでは問題の傾向が類似していますので、毎回出題されるボキャブラリーや会話のパターンなどが概ね決まっているものもあります。
模試を繰り返し解答して復習することによって、出題の傾向や頻出の単語・熟語をマスターすることが可能です。
TOEICリーディングセクションの対策
この章ではTOEIC (L&R)で900点の突破を狙う読者を対象に、リーディングセクション(Part5~Part7)の対策について考えます。先ずは「リーディングセクションの問題形式」について概観してみましょう。
下表のようにPart5では30問、Part6では16問、Part7では54問、合計100問が出題されます。リーディングセクション対策のためには、Part5およびPart6で時間を稼いで、より時間を要するPart7に温存した時間を充てるというのが基本戦略になってきます。
Part5 短文穴埋め問題 | 30問 |
Part6 長文穴埋め問題 | 16問(4問x4) |
Part7 読解問題 | 54問 |
TOEICリーディングに必要な能力
「英語力」と「情報処理能力」が重要
TOEIC (L&R)のリーディングセクションで高得点をとるために必要な事は、文章の広い範囲を素早く正確に読み、必要な情報を抽出し、適切に対応できる能力です。このためには「英語力」と「情報処理能力」の2つが必要です。
リーディングの「情報処理能力」とは
「情報処理能力」とは、制限時間内に大量の英文を読んで設問に答える必要のあるリーディングセクションにおいて、問題文(様々なビジネス文書)から抽出した情報を、設問や選択肢のタイプも考慮し、効率的かつ正確に判断・解答する能力のことです。
とくにPart7では多種多様な読解問題が出題されますので、高い情報処理能力が必要であるといえます。
時間配分
時間配分に関するパート別の留意点と目標時間は下表のとおりです。Part5を10分、Part6を8分、Part7を54分でそれぞれ解答することを目指しましょう。
可能であれば全体の見直しに3分ほど使えるように、時間配分に関する自分なりのプランを練ってトレーニングに励んでください。
【Part5】1問あたり平均20秒で解答して、Part5を10分以内で解答します。すぐに分からなくても30秒を上限と定めて、直感でマークして次の問題に進むようにしましょう | 10分 |
【Part6】1文書あたり2分で解答します。Part6には4文書あるので、解答時間は8分以内です | 8分 |
【Part7】1問あたり1分を目安に解答しましょう。例えば、3つの文書を参照(TP)する問題には設問が5つあるので5分を目安に解答します | 54分 |
【見直し】リーディングセクション全体を再度見直します | 3分 |
TOEIC Part5の対策
Part5は短文穴埋め問題で「30問」出題されます。このパートの対策については、900点突破を目指す読者には次のような方法をお勧めします。
- 文構造と文脈の両方を把握し、文頭から読み進めます。
- 空欄まで来たら選択肢を一瞬みて、問題のタイプ・出題のポイントを判断します。
- さらに読み進めて、解答が分かった時点でマークします。
設問の空欄の前後を見てすぐに解答できる場合もありますが、問題文の一部だけを見て判断するとケアレスミスの可能性も高くなります。900点突破を狙う読者はできるだけ
文全体を確認するように心掛けましょう。
TOEIC Part6の対策
Part6は長文穴埋め問題では「16問(4問x4)」出題されます。Part6の問題形式は文脈の流れの理解および文選択問題です。
Part6の問題には「独立型」(全16問中3~4問)と「文脈型」(同12~13問)があります。
独立型とは空所を含む一文をみれば解答を即決できる問題で、関係代名詞、品詞、限定詞、前置詞、接続詞、動詞の態などに関する問いが多く見られます。
文脈型とは空所を含む一文以外にヒントがある問題で、語彙、動詞の時制、代名詞、接続副詞、文選択問題などです。
下記の【例題】に沿って、Part6の解答の手順をみていきましょう。
TOEIC Part6の例題
Questions 1-4 refer to the following advertisement.
Awesome Fabrics
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Why don’t you come to our showroom on North Marine Drive and have a [2] with one of our experienced specialists?
Concerned about the [3]? Don’t worry. We have fabrics to suit every budget, from lightweight types to luxury imported fabrics. [4].
■設問1
(A) have enhanced
(B) enhanced
(C) are enhancing
(D) will enhance
■設問2
(A) consulted
(B) consulting
(C) consultation
(D) consultant
■設問3
(A) colors
(B) appearances
(C) pricing
(D) durability
■設問4
(A) This is the last chance to enjoy this offer with great benefits
(B) We regret that the North Marine Drive branch will be closed
(C) The branch manager changed our outdated business practices
(D) All of them feature good designs and quality materials
Part6例題の解答と解説
設問1:
この例題は広告に関する文章の問題です。第1文から読みます。上記の設問1は「動詞の時制」を問う問題なので、いわゆる「文脈型」です。
第2文以降を読んで、正解が分かった時点で解答します。第2文の“you”に相当する読み手は未だ商品を購入していないので(D)が正解です。
制限時間(8分)を意識しながら、しっかり読んで文脈を把握することを心掛けてください。
設問2:
設問2は「独立型」で第4文の空所の前後を読んで、文法ルールを適用すれば解答できます。
空所の直前に不定冠詞“a”があり、名詞である(C)または(D)が正解の候補ですが、その直後に“with”があることから(C)が正解です。
設問3:
設問3は適切な名詞を選ぶ語彙の問題(文脈型)です。第6文で“Don’t worry”、第7文で「予算」について言及しているため、価格に関する(C)が正解です。
設問4:
設問4は「文選択問題」(文脈型)なので、文脈を十分理解する必要があります。設問4のパラグラフでは、生地の価格帯が広い旨が言及されています。
空所はその直後にあるため、生地の特徴についてより詳しく説明した(D)を入れると、スムーズに文意が通るので正解です。
文選択問題の選択肢には代名詞が入っているケースが多いので、それぞれが何を指すかを見極めることが重要です。
Part6 文選択問題の解き方
Part6に特有の文選択問題の解答のポイントは、副詞(again、also等)や接続副詞(however、therefore等)、代名詞などに着目(注意)することです。
接続詞や接続副詞は、文と文の意味上のつながりを明らかにするヒントになります。
また代名詞(it、 they等)や「the+名詞」といった表現が何を指すか注目することも正解を導く鍵になり得ます。
文選択問題は最後に取り組むことをお勧めします。先述のとおり、900点突破を狙う人は8分以内でPart6を解くようにしましょう。
Part6についてもう1つ重要な点は「割り切り」です。「この問題は解けない」と判断した場合、その問題は直感でマークをして速やかに次の設問に進むことをお勧めします。
TOEIC Part7の対策
Part7のテスト問題には、「シングル・パッセージ」「ダブル・パッセージ」「トリプル・パッセージ」の3種類の出題形式があります。
シングル・パッセージ(SP) | 29問 (10文書) |
ダブル・パッセージ(DP) | 10問 (5問x2) |
トリプル・パッセージ(TP) | 15問 (5問x3) |
シングル・パッセージ(SP)では、1つの英語文書を読んで各文書に関する設問に取り組む形式で、設問の数は2つから4つです。SPの設問の数は合計で29問あります。
ダブル・パッセージ(DP)では、2つの英語文書を読んで設問に取り組む形式で、5つの設問に解答します。DPは2セット(各5問)で、設問の数は合計で10問あります。
トリプル・パッセージ(TP)では、3つの英語文書を読んで設問に取り組む形式で、5つの設問に解答します。TPは3セット(各5問)で、設問の数は合計で15問あります。
Part7の問題で出題される3種類のパッセージは、Eメールやウェブサイト、広告、記事、説明書、インフォメーションなど、ビジネスの現場で実際に使われているような内容の英語文書が出題されます。
Part7はトリプル・パッセージを先に解く
Part7問題文章の種類別にみた解答する順序についてですが、私の場合は、シングル・パッセージ(3セット:設問186~200番)⇒ダブル・パッセージ(2セット:設問176~185番)⇒SP(10セット:設問147~175番)の順に解くようにしています。
この理由は、トリプル・パッセージ、ダブル・パッセージ、シングル・パッセージの問題群では、それぞれ設問の番号が大きくなるにつれて難易度が上がると言われており、時間的・精神的な余裕があるうちに、最もボリュームがあるトリプル・パッセージ、次いでダブル・パッセージ、シングル・パッセージの順で解くとスムーズに解答できるためです。
【注意】Part7の設問をこの順番で解くやり方は、筆者個人的な考えです。皆さんがこの方法を本番のテストで活用される場合は、事前に十分なトレーニングを行い、ご自分に合う方法かどうかを検討されてください。
まとめ
このブログの要点をひと言で言えば、いわゆる「リサイクル」問題がある、TOEICの「傾向と対策」に精通して、単語・熟語・文法などの頻出問題に徹底的に取り組み、自分自身の「正答回路」を確立するということだと思います。
勉強法としては、単語、文法、読解、リスニングのそれぞれについて、定評のある問題集を繰り返して解きましょう。筆者自身が最も力を入れたのが、アプリなどの活用による「耳から聞く」という学習方法です。
筆者は過去、得点が伸び悩む「壁」に何度かぶつかりました。そんな時、色々な打開策を試みましたが、有効だったと思うのは、ボキャブラリー(単語・熟語)の増強で、リスニングセクションはもちろんリーディングセクションの得点アップに有効でした。
是非アプリを使って、通勤時等に語彙力の向上に取り組んでみてください。このような繰り返し耳から聞くという方法は、自分自身の経験から、年齢に関係なく有効であると確信しています。
もう1つ筆者が強調したいのは模試のフル活用です。得点力アップのためには、「模試を解く⇒復習する」というパターンを何度も繰り返すことが重要です。模試の活用は、本番の直前期という人が多いと思いますが、できれば本番の3~4週間前から始めることをお勧めします。
最後になりますが、このブログが読者の皆さんのTOEIC900点突破の一助となれば幸いです。是非頑張ってください。
参考文献
[参考文献]
表1:900点突破のためのパート毎の解答のスタイルの一例では、濱崎 潤之輔『TOEIC L&Rテスト990点攻略』(旺文社)を参考にしています。
プロフィールとTOEIC公式認定証
今回のブログ記事を執筆して頂いたライターさんのプロフィールと、TOEIC公式認定証です。
hiromi20年間の半分以上を海外で過ごす生活で、仕事でも英語を日々使っています。48歳の時に英検1級を取得しました。最近50歳になりましたが、TOEIC990点(満点)を目指して日々精進しています。