このシリーズでは、TOEICテストで900点以上を取得したTOEIC上級者の勉強法を公開します。
今回はTOEICスコア900点のcharlie614さんが書いた、TOEICテストで900点を取得するための勉強法をご紹介します。
目次
TOEIC900点突破のカギは長文読解の攻略にあり
TOEIC800点以上のレベルになると、リスニングや文法問題のパートではスコアにそれほど差がつかなくなってきます。このあたりの問題はある程度正解できて当然という境地に入ってくるわけですね。
したがってそこからさらに点数を伸ばして900点の壁を突破するためには、長文問題の正答率を上げていくことが必要になります。とくに最難関であるPart7の長文読解が重要です。Part7はその分量の多さで有名ですね。この長文をどこまで解き切ることができるのか。ここで900点以上を目指す受験者の明暗が分かれるといってもいいでしょう。
ここではPart7の具体的な構成、長文を読み切る力をつける勉強法、Part7攻略のテクニック、おすすめの参考書の4点を解説していきます。
TOEICのPart7はとてつもない文章量
TOEICのPart7は3つの部分から構成されています。まずシングルパッセージ問題があり、長文の数は10で、長文ひとつあたりの単語数は平均すると約170です。次にダブルパッセージ問題が来て、長文数は2、長文ひとつあたりの単語数は平均で300前後。最後にトリプルパッセージ問題で、長文の数は3つ、長文ひとつあたりの単語数は平均400弱となります。
このように、Part7の文章量は後半に進むにつれて多くなります。とくに最後のトリプルパッセージは圧巻で、1つの問題で3つの文章が並びます。トリプルパッセージは3つの長文が出題されますが、実質的には9つの長文を読むのとそう変わらないわけですね。
リーディングに与えられた制限時間は75分。Part5とPart6をそれぞれ10分と15分で解き終えたとしても、50分でこのPart7を攻略しなくてはならない計算です。実際に解いてみるとわかりますが、相当なスピードで読まないと最後まで終わりません。おそらくほとんどの人が、途中で心を折られた経験をしていると思います。
Part7長文読解対策におすすめの勉強法
それではどうやって長文読解の勉強をしていけばいいのでしょうか?そのカギは、制限時間を意識しながら、難しくない長文を高速で読むことにあります。
TOEICで出題される文章は、内容自体をみればそれほど難しいものではありません。時間を気にせず自分のペースで問題集を解けば、本番に比べてかなり高い点数が出るという人が多いでしょう。これは、本番で最大のネックになるのが時間配分であることを意味しています。
この時間配分を普段の学習から意識しておく必要があります。自由なペースで長文を読んでも、あまり効果的な訓練にはなりません。きつめの制限時間を設定して、その時間内に読み切るトレーニングを重ねることが重要です。長い文章を読む時には、自分がどのくらいの時間でどれだけの量を読めるのかを、つねに意識するようにしましょう。TOEICのリーディングパートを最後まで読み切るには、1分間に約150語の単語を読む必要があります。この1分間で150単語という数字を目標にしてください。
難解な文章を読むトレーニングは、TOEICの場合はとくに必要ないです。公式問題集よりも難しい文章に手を出す必要はありません。それよりも、とにかくスピードにこだわりましょう。それほど難しくない文章を、制限時間内に高速で読む。この訓練を繰り返すことでPart7を攻略する基礎体力がつきます。
Part7長文読解の攻略法
基礎体力も重要ですが、それに加えて、問題を効率的に解くためのテクニックを知っておく必要があります。次にそのテクニックについて解説します。
まず重要なのは、問題文ではなく設問から読み始めることです。長文を読んでから設問をチェックするという解き方だと、効率がよくありません。この方法だと、最初に長文を読み、次に設問の答えに該当する個所を探すためにもういちど長文を読むという二度手間が発生してしまうためです。設問から読み始めれば、長文を読む回数は1回ですみます。
そこで、長文を読む前に設問を見てしまいましょう。選択肢はまだ見なくて大丈夫です。何が問いかけられているのかだけをチェックします。
次にその設問の問いかけを念頭に置きつつ、問題文を最初から読み進めていきます。この時、飛ばし読みはしないでください。ちゃんとすべての文章を読みます。そして設問の答えに該当すると思える個所に行き当たったら、設問に戻ります。設問の選択肢をチェックし、正解だと思った選択肢をマークします。
ここでもう一つ重要なのは、正解以外の選択肢に時間を割かないことです。マークしていない選択肢が不正解である根拠を探さないでください。これをやってしまうと時間が足りなくなり、最後まで解き終えることが難しくなります。最初はとても不安なのですが、思い切って次の設問に進んでしまいましょう。
あとはこれの繰り返しです。次の設問を読み、問いかけを念頭に置きつつ問題文を続きから読んでいきます。この作業をいかに高速で行えるか。ここで、得点をどこまで伸ばせるかが決まってくるわけです。
TOEICの長文読解対策おすすめ参考書
次に、私が使用した参考書のなかからおすすめの3冊を紹介します。まずはTOEIC公式問題集。最初にこれを解きましょう。自分のペースで解くのではなく、ちゃんと制限時間を設定して解いてください。この作業によって、今の自分に足りない部分がどこなのか見えてきます。まず公式問題集に当たってみるという方法は、Part7に限らず、すべてのパートで有効です。
次に『TOEIC L&Rテスト990点攻略』をおすすめします。これはテクニック寄りの本で、各パートをどのように解くのがもっとも効果的なのかを教えてくれます。もちろんPart7の読解にも有効です。上述したPart7攻略のテクニックは、この本から教えられた内容が基礎になっています。
最後におすすめしたいのが『1駅1題 TOEIC L&R TEST 読解特急 (TOEIC TEST 特急シリーズ)』。このシリーズはまさに「簡単な文章を制限時間内に高速で読む」というトレーニングに最適です。つねに制限時間を意識しながら取り組んでみてください。新書サイズでコンパクトな点もポイント。どこにでも持ち運びができて、隙間時間でも楽に学習できます。
まとめ
以上、TOEICのPart7について、その内容、勉強の仕方、攻略のテクニック、おすすめの参考書の4点から解説してきました。
TOEICのPart7はとにかくボリュームが尋常ではありません。Part7が最後まで解き終らず、絶望感に暮れる人もいるでしょう。でも安心してください。ほとんどの人がPart7に心を折られた経験をもっています。900点を大きく上回る受験者たちでさえ、最初はそういう状態だったのです。適切なトレーニングを積み重ねれば、かならず900点に届きます。あきらめずに挑戦を続けましょう!
参考文献
[参考文献]
「Part7長文読解の攻略法」のパラグラフでは、濵﨑潤之輔『TOEIC L&Rテスト990点攻略 改訂版: 新形式問題対応』を参考にしています。
プロフィールとTOEIC公式認定証
今回のブログ記事を執筆して頂いたライターさんのプロフィールと、TOEIC公式認定証です。
はじめまして、charlie614です。Webライターをしています。経済分野の産業翻訳をしていた経験もあります。趣味は読書と音楽鑑賞。洋書も年に20冊ぐらい読みます。