このシリーズでは、TOEICテストで800点以上を取得した上級者の勉強法を公開します。
今回はTOEICスコア825点の「オオヤマさん」が、ご自身の経験を元に、TOEICテストで800点を取得するための勉強法を解説します。
目次
30代サラリーマンが半年でTOEIC400点台から800点超え
私が35歳の頃、子供が生まれて勉強どころか自分の時間さえもあまりなく、TOEICスコアが400点台で伸び悩んでいた時期がありました。しかしこの記事で紹介する効率的な勉強方法を実践することで、半年で825点にスコアアップすることができました。
TOEIC対策で使った道具は参考書とスマホのみ。費用はテスト受験料含め3万円以下。勉強時間は往復2時間の通勤時間、昼食後30分程度、休日は朝夜の1時間づつです。これまでTOEICの勉強がなかなか続かなかった人も、この方法ならきっと800点超えを達成出来ると思います。
TOEICスコアアップはリスニングから
TOEICスコアが低い人は、私も含めてリスニングパートが苦手です。当時TOEICの勉強法をネットで調べるといろんな方法が提案されており、その中で分かったのは実はリスニングのスコアをあげるのは比較的簡単だということでした。
その理由の1つは難易度が低いからです。リーディングに比べてパターンが少なく、なんとなく聞こえるだけでも答えられるケースが結構あります。別の理由は、時間内に終わること。次の問題がすぐ読み上げられるので、考えている時間がほとんどないため、聞こえさえすれば全問処理できます。
一方でリーディングパートは、タイムアップで最後の設問10問程度を全く読めずに、塗りつぶした経験は誰にでもあると思います。
私の勉強時間の中心は通勤時間で、座学はあまりできません。そこで「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」(金フレ)を活用した勉強法を採用することにしました。金フレのフレーズをダウンロードしてプレーヤーに入れ、通勤時間に1日200フレーズ程度づつリスニングとシャドウイングを繰り返すというものでした。
3ヶ月程度でリスニングスコアがかなりアップするという評判の良い方法でした。この金フレ勉強法では、確かにリスニングの設問をひと続きで聴き切ることができるようになりました。3月頭から勉強をはじめ、5月末のテスト直前に買っておいた公式問題集1冊で出題形式を再確認して本番に挑みました。結果は200点アップの695点でした。これで一気にモチベーションがあがりました。
リーディングパートのスコアアップ方法
やる気が出てきた私は、リーディングパートのスコアアップ方法を検討しました。課題は2つありました。パート5の正答率が低く、時間がかかりすぎる。パート7が問題全てやりきれず、最後の10問程度が問題を読む前にタイムアップしてしまうということでした。ここでまずパート5の速度と正答率が上がれば、パート7に使える時間も増え、課題を一気に解決できます。
計算したところ800点台になるには、パート5は30問を15〜18分で終える必要があります。評判の良い「TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問」を買い、昼食後の時間を毎日パート5のタイムアタックに当てました。また通勤時間はスマホでパート5対策アプリを解き、疲れたら「金フレ」をやりました。開始時は正答率50〜60%、30分ぐらいかかっていましたが、1ヶ月程度で問題集の正答率が80%近く達することが増え、20分でやり切れるようになりました。8月に受けたTOEICは750点で、ついに会社からの推奨730点をクリアしました。
英文ライティングの効果
800点まであと少しとなったところで、パート6、7の対策と、全体的な点数底上げを目的として、独自のライティング勉強法をはじめました。TOEICは選択問題なのになぜライティング?と思う方もおられるでしょうが、紙に書いてアウトプットする事は記憶を定着するのにとても良い作用があります。
身についていない単語、文法、文章はスラスラ書けませんので、弱点を認識できますし、書きながら覚えると記憶も定着しやすいです。座学ができる休日や隙間時間に、公式問題集のリーディングパートを片っ端から書き写しました。スラスラ書けない文章は、できるようになるまで最大3回程度まで書いて、つぎの文章に移るようにしました。
TOEICの勉強をやめた時、A4用紙ページ全面を覆い尽くしたライティングは70枚ほどになりました。ライティングすることで書いたことを自分のものにしていく方法は少々アナログですが、これまでに別の試験や仕事で用いてきた私の得意な勉強法なので継続することができました。10月に受けた試験では、805点までスコアが向上しました。
モチベーション維持の工夫
試験会場に行ったことがある方はご存知かもしれませんが、空席が3割程度あります。わざわざお金を払ってテストを欠席する人がたくさんいるのです。理由は簡単で、申し込んでから試験日までほとんど勉強できなかったからでしょう。点数が変わらないか下がると思い、テストをキャンセルしたのでしょう。
今回の方法のように勉強期間を限定し、やり易いことから始め、一度点数が上がってモチベーションが維持できれば、一気に駆け抜けることができます。私の場合は点数の上がりやすいリスニングの勉強を3月から始め、5月のテストで695点、8月には750点台、10月のテストで805点、12月のテストで825点と、目標の800点は約半年でクリアできました。点数の伸びが鈍化したのと、年末年始にあまり勉強できなかったことから、年明けにはTOEICの勉強をやめて仕事に集中することにしました。
ネットでいろんな人の勉強時間を調べて分かったことは、900点を超えるには、800点を超えるのに必要な勉強時間の、2~3倍は必要なようです。仕事で忙しい社会人にはそこまで時間の捻出はできませんし、年単位の取り組みになっては途中でモチベーションが維持できなくなります。英語の仕事が中心となるプロフェッショナルは900点以上必要なようですが、そうでない職種の人は、当面800点もあれば十分だと思います。
取り組み期間を何月何日のテストまで、と区切り、半年程度で乗り切ることが大切です。1日に無理して何時間も勉強しては長持ちしませんし、集中力が切れあまり学習効率が良くありません。時間のとれる休日も朝夕1時間づつを習慣化した方が効率が良いのではないかと考えます。
おすすめのTOEIC問題集
おすすめのTOEIC問題集は「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」と「TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問」の2冊です。
金のフレーズをおすすめする理由は、
- 本が小型で持ちやすく、赤色フィルムで単語が隠せる
- 音声はCDでなくインターネットからダウンロードができる
- 隙間時間に練習できるように工夫がされている
金のフレーズを使ってTOEICスコアが伸びる理由は、リスニングに不要と思われがちなアウトプット(シャドウイング)をとりいれており、リスニング力が身につきやすいからだと思います。
TOEIC文法問題をおすすめする理由は、巻末に5ミリ厚さほどの千本ノック問題集が付録しており、20分あればタイムアタック練習と実力チェックができ、まとまった時間が取れない人のパート5強化に最適だからです。
TOEIC文法問題を使ってTOEICスコアが伸びる理由は、本書部分は巻末模擬テストの正答率が低い文法の種類(例えば代名詞、過去分詞など)に立ち戻り復習できる構成となっており、パート5の苦手箇所を文法種類ごとに強化できるからだと思います。
プロフィールとTOEIC公式認定証
今回のブログ記事を執筆して頂いたライターさんのプロフィールと、TOEIC公式認定証です。
- オオヤマメーカー勤務の開発設計職 35歳 妻子あり。理系大学卒。大学時代に初めて受けたTOEICは590点。社会に出てからはいつも3日坊主で2年後に495点まで下落。35歳で一念発起し半年で825点を取得。