英語・英単語・TOEICの学習サイト Eigo Love

TOEIC Part5 問題集 Vol.3-1 | 英語ネイティブ先生作成

このシリーズではアメリカ人の英語教師が作成するTOEIC Part5 練習問題とその解き方や英文法を解説します。

TOEIC Part5 短文穴埋め問題 Vol.3-1

英文の空欄に該当する最も適切な単語やフレーズを(A)~(D)の選択肢から選んでください。

Question #1

Despite the closing time, the senior managers couldn’t __________ the budget meeting as they still hadn’t reached consensus on its meeting agenda.

(A) wind up
(B) start off
(C) conclude with
(D) concentrate on





※問題の解答は下にあります↓




Q1の解説(句動詞の語彙問題)

Despite the closing time, the senior managers couldn’t wind up the budget meeting as they still hadn’t reached consensus on its meeting agenda.

会議の議題について合意に至らなかったので、シニアマネージャーたちは終業時刻にもかかわらず、予算会議を終えることができなかった。

(A) wind up (B) start off (C) conclude with (D) concentrate on

despite は「~にもかかわらず」の意味の前置詞で、副詞句(despite ~ time)は主節(the senior ~ meeting)の否定の意味を強めています。

Despite the closing time, (副詞句)

the senior ~ meeting (主節)

as they still ~ agenda. (従位節)

despite と in spite of は同じ意味で置き換えできます。despite の方が少しだけフォーマル。

従位節(as they still ~ agenda.)の as は理由(~だから)の意味。この as は because / since と置き換え可能です。

接続詞 as は複数の意味と用法があるので和訳で迷うと思います。この英文においては用法の見極めは簡単です。主節は「過去形」、従位節は「過去完了形」を使っており、2つの節の時制が違います。この違いから「~している時に」「~しながら」「~すると同時に」などの時に関する用法では無いことが分かります。また「~するにつれて」の比例を表す用法でも無いことが分かります。更に文の形から「~のように」などの比べる用法でもありません。

従位節(as they still ~ agenda.)のように、主節よりも過去の出来事の場合は、「理由・原因」の用法だと最初から決めて読んでもOKです。

【解き方】

wind up は「~を終える、~を終わりにする」の意味の句動詞。他動詞 wind の意味は「(時計などのネジ)を巻く」「(フィルムなど)を巻き戻しする」などの意味。副詞句と従位節の文脈から、wind up 以外の選択肢は該当しません。

因みに野球の投手のワインドアップは、動詞は wind up、名詞は windup / wind-up と綴ります。

【答え】
(A) wind up

【不正解の選択肢】

(B) start off は「~を始める、~を着手する」の意味。文脈に合わないので不正解。

Despite the closing time の文意が、空所に start off を入れることができないの理由になりません。実際の業務では、終業時刻と同時に、または、終業時刻の後に、予算会議を初める場合もあります。英文の背景が「終業時刻と同時に予算会議を開始する予定」であったと考えれば、次の例は意味が通じます。

[例] Despite the closing time, the managers couldn’t start off the meeting.

終業時刻にもかかわらず、マネージャーたちは会議を始めることができなかった。

従位節“as they ~ its meeting agenda.”の“hadn’t reached consensus”から、予算会議は主節よりも過去に始まっていたことが分かるので、start off は文脈に合いません。

ここで重要なポイントは“its meeting agenda.”です。its は主節の“the budget meeting”を指しています。仮に its がなければ、主節の「予算会議」と、従位節の「会議」が別の会議である可能もあります。its がなければ「会議Aの議題が合意に至らなかったので、会議Bを始めることができなかった」の論理が成立するので start off も文意に合います。

(C) conclude with は「結びの言葉、挨拶などで~を終える」という意味。 conclude with の後には、締めくくるにふさわしい言葉、行為、出来事などが続きますが、meeting(会議)などの「締めくくられる対象」は置けません。

[例] He concluded with advicce for younger generations, and then bowed deeply.

彼は若者へのアドバイスで話を結ぶと、丁寧にお辞儀をした。

他動詞の conclude は「終える、終了する」の意味で、次の例のように目的語に meeting を置くことができます。

[例] The managers concluded the meeting.

マネージャーたちは会議を終えた。

(D) concentrate on は「〜に集中する」という意味。文意に合わないので不正解。

「議題について合意に至らなかった」ことで精神的なダメージを受け、予算会議に集中できなかったことはありえます。しかし「終業時刻にもかかわらず、会議に集中できない」の文意は不自然。一般的に、朝から夕方まで集中して業務を行えば、終業時刻の頃には集中力が途切れることが普通です。

[例] I need to concentrate on preparing for the final examination now.

私は期末試験の勉強に今は集中しなければならない。



Question #2

Payment service providers like PayPal offer __________ plans which help consumers pay off purchases over time.

(A) investment
(B) installment
(C) development
(D) management





※問題の解答は下にあります↓




Q2の解説(名詞の語彙問題)

Payment service providers like PayPal offer installment plans which help consumers pay off purchases over time.

ペイパルのような決済サービスプロバイダーは、消費者が長い期間をかけて購入代金を返済するのに役立つ分割払い方式を提供する。

(A) investment (B) installment (C) development (D) management

Payment service provider は「決済サービスプロバイダー」の意味。略称は「PSP」です。

形容詞節“which ~ over time.”の which は関係代名詞で、先行詞の installment plans を修飾しています。

“~ help consumers pay off”は「SVO + do」の語法で、直訳すると「~は消費者の返済を助ける」です。pay off は句動詞で「(借金)を全額返済する、完済する」の意味。

【解き方】

形容詞節“which 〜 time.”は「空所 + plans」を修飾しており、この節の内容に合う installment plans が正解。 installment は「分割払いの1回分」の意味で、installment plans は「分割払い方式」と訳します。

【答え】
(B) installment

【不正解の選択肢】

(A) investment plans は「投資計画」の意味。節“which 〜 time.”の説明と文意が合わないので不正解。

[例] Less-experienced investors are more likely to avoid risky investment plans.

投資の経験が浅い人はリスクのある投資をより避ける傾向にある。

(C) development plans は「(製品・土地・人材などの)開発計画」の意味。文意が合わないので不正解。

[例] The government asked some local farmers to join its development plan.

政府は地元の農家数名に対し、開発計画に参加してくれるよう依頼した。

(D) management plans は「(会社の)経営計画。(品質・環境・危機などの)管理計画」の意味。文意が合わないので不正解。

[例] Tomato, Inc. finally announced its medium-term management plan the other day.

トマト社は、先日ついに中期経営計画を発表した。



Question #3

__________ to the policy of the nonprofit organization operating for charitable purposes, its executive director pocketed some of the organization’s funds.

(A) Adhering
(B) Violating
(C) Living up
(D) Contradictory





※問題の解答は下にあります↓




Q3の解説(分詞構文の語彙問題)

Contradictory to the policy of the nonprofit organization operating for charitable purposes, its executive director pocketed some of the organization’s funds.

慈善目的で活動している非営利団体の方針と相反して、事務局長は団体の資金の一部を着服した。

(A) Adhering (B) Violating (C) Living up (D) Contradictory

英文の構成は次の通りです。この副詞句は「分詞構文」と呼びます。分詞構文は主に英語ライティング(書き言葉)で使います。

Contradictory to ~ charitable purposes, (副詞句)

its executive director pocketed ~ funds. (主節)

pocket (pocketed) は他動詞で「(お金など)を着服する」の意味。

【解き方】

Contradictory は「相反する、矛盾する」の形容詞。文法的にも文脈にも合う選択肢は、Contradictory 以外にありません。

分詞構文は現在分詞/過去分詞/接続詞などで始まることが多いですが、この文は形容詞 Contradictory で始まっています。これは「Being contradictory to ~」の Being を省略した形です。分詞構文では being を省略することがよくありますが、次のような文では、being を省略すると分詞構文のパートが nervous のみとなり、文のリズムが悪くなるので省略しません。

[例] Being nervous, she made many mistakes in the match.

彼女は試合中に、緊張で多くのミスをした。

分詞構文は、「付帯状況 (with)」「理由 (because)」「時 (while)」など、複数の機能があるので読解に注意が必要です。

この英文の分詞構文の機能は「時 (while)」で、副詞句と主節が同時に起こっているイメージです。直訳すると「~の方針と相反しながら、~を着服した」です。

また分詞構文には「譲歩 (though)」の機能もありますが、「対比」や「逆説」の機能はありません。

【答え】
(D) Contradictory

【不正解の選択肢】

(A) Adhering は 自動詞 adhere の現在分詞。adhere to で「(規則・信念など)を忠実に守る[従う]」の意味です。

文法的に空所に入れることは可能ですが、この場合「~の方針を忠実に守りながら、資金の一部を着服した」となり、副詞句と主節の文意が合わないので不正解。

[例] Adhering to the company’s policy, the executive director manages his company.

会社の方針を忠実に守りながら、専務取締役は会社を経営している。

(B) Violating は他動詞 violate の現在分詞で「(法律などを)破る、(権利などを)侵害する」の意味。violate の自動詞は無いので Violating to の句動詞は作れません。

[例] The measures taken by the government was fiercely criticized as it was violating the freedom of expression.

政府がとった措置は表現の自由を侵害したために激しく非難された。

(C) Living up は句動詞 live up to の現在分詞で「(信念・約束など)に従って行動する」「(期待など)に応える」の意味です。

文法的に空所に入れることができたとしても、副詞句と主節の文意が合いません。また“Living up to the policy”のように policy を目的語で使うことも普通はしません。

[例] He is living up to his belief.

彼は信念に従って行動している。



Question #4

When businesses deliver services that exceed the expectations, this can lead to __________ customer loyalty.

(A) affirm
(B) affirming
(C) affirmation
(D) affirmative





※問題の解答は下にあります↓




Q4の解説(品詞問題)

When businesses deliver services that exceed the expectations, this can lead to affirming customer loyalty.

企業が期待を超えるサービスを提供すれば、顧客ロイヤルティの確約につながることがある。

(A) affirm (B) affirming (C) affirmation (D) affirmative

副詞節“When ~ expectations”の businesses は businesse の複数形だから可算名詞だと分かり、この場合は「企業」を表します。businessが不可算名詞の場合は「商売、ビジネス、仕事、売上」などを表し、この場合は複数形にできません。that は関係代名詞で先行詞の services を修飾しています。

副詞節の When の意味は「~の時」ではなく、「 if 」と同じように「~すれば」の意味で条件を表しています。この条件を表す When の節では、動詞の時制は「現在形」になります。

文の後半「this ~ loyalty」は主節です。this は先行する節「When ~ expectation」を指しています。customer loyalty は主に「顧客ロイヤルティ」と訳し、「顧客があるブランド/商品/サービスに対して感じる信頼や愛着」を意味します。

【解き方】
主節の 「lead to 目的語」は句動詞で「~を引き起こす、~の結果につながる」という意味。目的語として機能する affirming が正解です。

affirming は affirm の動名詞で「断言する、肯定する」ですが、文では「確約する」という意味で使っています。

【答え】
(B) affirming

【不正解の選択肢】

(A) 他動詞 lead は、「want to do」「hope to do」などのように to不定詞を目的語にできません。よって(A) affirm は不正解です。

他動詞 lead は「lead 目的語(人/組織) to do/be」の形でよく使われます。

[例] Her words of encouragement led me to pass the bar examination.

彼女の励ましの言葉は、私を司法試験に合格させた。

[例] Video marketing might lead businesses to increase sales.

動画マーケティングは企業の売り上げを伸ばすかもしれない。

自動詞 lead to 場所(名詞) の用法も覚えてください。次の例の lead は「(~の場所に)通じる」の意味です。

[例] All roads lead to Rome.

全ての道はローマに通ず。
※これは諺で「手段・方法が違っても目的が同じなら、同じ場所や結論に達すること」を意味する

(C) affirmation は名詞で「肯定、断言、確約」などの意味です。affirmation(名詞)の後に、customer loyaltyの名詞を続けて書くことができないのでNG。

因みに“the affirmation of customer loyalty”のように書くことは可能です。

(D) affirmativeは「肯定的な、賛成の」という意味の形容詞です。affirmative reply(肯定的な返事)、affirmative attitude(肯定的な態度)、affirmative response(肯定的な反応)などのように、主に人の言動を修飾します。“affirmative customer loyalty”のような使い方はしないので不正解です。

[例] I was glad to receive an affirmative reply from the client.

私はクライアントから肯定的な返事をもらえて嬉しかった。



Question #5

On account of the city’s profound concerns about __________ less pollution, the power plant hired an environmental economist.

(A) emitting
(B) reducing
(C) creating
(D) decreasing





※問題の解答は下にあります↓




Q5の解説(動詞の語彙問題)

On account of the city’s profound concerns about creating less pollution, the power plant hired an environmental economist.

汚染を減らすことに対する市の深い懸念のため、その発電所は環境経済学者を雇った。

(A) emitting (B) reducing (C) creating (D) decreasing

“on account of 〜”は「〜を理由に」を意味するイディオムで、好ましくない理由で使う場合が多いです。

profound は「深い、深刻な」の形容詞。“the power plant ~ economist”が主節。副詞句“On 〜 pollution”は理由・原因を示しています。

【解き方】

less は「(量・程度が)より少ない」の意味で、less pollution は「より少ない汚染」の意味。create は「(新しいもの)を作り出す」ですが、「(公害など)を引き起こす」の意味もあります。

creating less pollution は直訳すると「より少ない汚染を引き起こす」で、日本語としては不自然ですが、これは「汚染を減らす」を意味しています。

「動詞 + less + 名詞」のように形容詞で量や程度を減らす表現は、日本人には馴染みが薄いので英語上級者でも誤訳する場合があります。

eat less salt (塩分の摂取を減らす)
drink less alcohol (飲酒の量を減らす)
feel less anxious (不安感を軽減する)
need less attention (あまり注意する必要がない)

【答え】
(C) creating

【不正解の選択肢】

(A) emitting は他動詞 emit の現在分詞で「(熱・ガスなど)を出す、排出する」の意味。

emitting less pollution は自然な表現で「汚染の排出が少ない」と訳します。これは懸念というよりは、逆に良いことです。文意に合わないので不正解。

(B) reducing は他動詞 reduce の現在分詞で「(数量・程度など)を減らす」の意味。

reducing less pollution は不自然な表現。less を削除した“reducing pollution”だと「汚染を減らす」の意味で自然な表現です。

(D) decreasing は他動詞 decrease の現在分詞で「(数量など)を減らす、減少させる」の意味。

decreasing less pollution は不自然な表現。less を削除した“decreasing pollution”だと「汚染を減らす」の意味で自然な表現。ただし“reducing pollution”の方が使われる頻度は高いです。



TOEIC Part5 短文穴埋め問題 Vol.3-2

Part5短文穴埋め問題 Vol.3-2は次のページで公開中です。