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例文で学ぶ英文法「現在分詞・過去分詞」

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このシリーズでは英文法を例文を使って分かりやすく解説します。今回のテーマは「現在分詞・過去分詞」です。

現在分詞と過去分詞は動詞の変化形で、文中では形容詞の役割を果たします。現在分詞は現在進行形で使われる動詞のing形、過去分詞は受動態や完了形で使われる動詞の過去分詞形です。


現在分詞・過去分詞

現在分詞

現在分詞は「~する」、「~している」という意味を表し、主に名詞を修飾する形容詞の役割を果たします。

【1】下記の例文の現在分詞はcrying一語で、名詞boyを修飾しています。このように、現在分詞が単体で使われている場合は、通常の形容詞と同様に名詞の前につけることができます。

I saw a crying boy.
泣いている男の子を見た。

【2】下記の例文の現在分詞はlyingですが、on the grassとともに形容詞句を作っています。このように、現在分詞が他の単語と一緒に形容詞句になっている場合は、修飾する名詞の前ではなく後につけます。

There was a boy lying on the grass.
芝生に寝転がっている男の子がいました。

現在分詞は、名詞と同じ役割を果たす動名詞(~すること)と同じ形をしています。しかし、現在分詞と動名詞は異なるものであるため、混同しないよう注意が必要です。

【現在分詞】
He is singing.
彼は歌っている。

【動名詞】
He likes singing.
彼は歌うことが好きだ。

【現在分詞】
a sleeping girl (眠っている女の子)

【動名詞】
a sleeping bag (寝袋)

【現在分詞】
I saw a man running with his dog.
犬と一緒に走っている男性を見た

【動名詞】
I saw a man on a running machine.
ランニングマシーンを使っている男性を見た。

過去分詞

過去分詞は「~した」、または「~された」という意味を表し、現在分詞と同様に名詞を修飾する形容詞として使うことができます。

【1】下記の例文の過去分詞はhidden一語で、名詞mapを修飾しています。このように、過去分詞が単体で使われている場合は、通常の形容詞と同様に名詞の前につけることができます。

I found a hidden map.
隠された地図を見つけた。

I fixed the broken vase.
私は壊れている花瓶を直した。

【2】下記の例文の過去分詞はbakedですが、by my motherとともに形容詞句を作っています。このように、過去分詞が他の単語と一緒に形容詞句になっている場合は、修飾する名詞の前ではなく後につけます。

This is a cake baked by my mother.
これは母が焼いたケーキです。

分詞の完了形(having+過去分詞)

分詞の完了形は、従属節(副詞節)の動詞の時制が主節の動詞の時制よりも前のときに用いられます。

【1】下記の例文①の従属節にある接続詞(After)と主語(we)を省略し、動詞(had had)を「having+had(過去分詞)」に変えると「分詞の完了形」②になります。

①After we had had lunch, we went back to work.

【分子の完了形】
②Having had lunch, we went back to work.
私たちは昼食を済ませた後、仕事に戻りました。

【2】下記の例文①の従属節にある接続詞(As)と主語(I)を省略し、動詞(have often been)を<having+often been(過去分詞)>に変えると「分詞の完了形」②になります。

①As I have often been to Paris, I know many good restaurants.

【分子の完了形】
②Having often been to Paris, I know many good restaurants.
私は何度もパリに行ったことがあるので、多くのよいレストランを知っています。

分詞の否定形(not+~ing)

<not+~ing>の形は、従属節の動詞の時制と主節の動詞の時制が同じときに用いられます。

下記の例文①の従属節にある接続詞(As)と主語(I)を省略し、notを文頭に移動します。動詞(know)は<動詞の原形+ing>に変えると「分詞の否定形」②になります。

①As I didn’t know what to do, I kept silent.

【分子の否定形】
②Not knowing what to do, I kept silent.
何をすればよいかわからなかったので、静かにしていました。

分詞の否定形(not+having+過去分詞)

<not+having+過去分詞>の形は、従属節の動詞の時制が主節の動詞の時制より前のときに用いられます。

下記の例文①の従属節にある接続詞(As)と主語(I)を省略し、notを文頭に出します。動詞(been)は<having been(過去分詞)>に変えると「分詞の否定形」②になります。

①As I have never been to Osaka before, I got lost.

【分子の否定形】
②Not having been to Osaka before, I got lost.
大阪に行ったことがなかったので、道に迷いました。

分詞の形容詞的用法

分詞には現在分詞と過去分詞がありますが、それぞれが名詞を修飾したり(限定用法)、文の補語としての働きをしたり(叙述用法)する場合を、分詞の形容詞的用法といいます。

分詞の限定用法

下記の例文は「分詞の限定用法」です。

She told me a surprising story.
彼女は私にびっくりするような話をしてくれました。

※現在分詞surprisingが名詞storyを修飾しています。

He stepped on a broken vase.
彼は割れた花瓶を踏んでしまいました。

※過去分詞brokenが名詞vaseを修飾しています。

Who is the man climbing that mountain?
あの山を登っている男性は誰ですか。

※現在分詞climbingに目的語that mountainがついて、名詞the manを後ろから修飾しています。

He liked the dish made by his wife.
彼は妻が作った料理を気に入りました。

※過去分詞madeに副詞句by his wifeがついて、名詞the dishを後ろから修飾しています。

分詞の叙述用法

下記の例文は「分詞の叙述用法」です。

1.S+V+分詞:

【1】下記の例文は「S+V+分詞」の形をとっています。keepの他にもseem, feel, remain, lookなどの動詞が同じように使えます。

She kept waiting for her sister all day.
彼女は一日中姉を待ち続けました。

【2】下記の例文は「S+V+分詞」の形をとっていますが、sit, stand, come, lieなどの自動詞の後にきて、文に「~しながら」という意味を持たせています。

She sat on a bench reading a book.
彼女はベンチに座って本を読んでいました。

2.S+V+O+現在分詞:

下記の例文は「S+V+O+現在分詞」の形をとって、「SはOが(現在分詞)しているのをVする」という意味になります。
ここで使われる動詞は知覚動詞(see, hear, feelなど)や使役動詞(have, get, leave, keepなど)です。

I saw her crying in the park.
私は彼女が公園で泣いているのを見ました。

3.S+V+O+過去分詞:

下記の例文は「S+V+O+過去分詞」の形をとって、「SはOが(過去分詞)されるのをVする」という意味になります。
ここで使われる動詞は知覚動詞(see, hear, feelなど)や使役動詞(have, get, leave, keepなど)です。

I left my locker unlocked.
私はロッカーのかぎを開けたままにしていました。

4.have+O+過去分詞:

下記の例文は「have+O+過去分詞」の形をとって「Oを(過去分詞)してもらう、される」という意味になります。

I had my tooth pulled out.
私は歯を抜かれました。

分詞構文

分詞構文は、現在分詞、または過去分詞で句や文全体、動詞を修飾する構文で、副詞と同じ役割をもっています。

分詞構文の基本

【1】下記の例文の分詞の主語は、went to bed earlierの主語と同じI(私)です。このように、分詞構文を使う場合には分詞と主節の主語を一致させます。分詞と主節とで異なる主語を使うこともありますが、その場合は分詞の主語を明示します。

Being tired, I went to bed earlier.
疲れていたので早めに寝た。

【2】下記の例文のように、分詞と主節の主語が異なっていても、一般的に言われていることを述べる場合や、分詞の主語が発言者である場合には分詞の主語を明示しないこともあります。

Generally speaking, the average life span of women is longer than that of men.
一般的に言って、女性の平均寿命は男性の平均寿命より長い。

Considering your abilities, you should be paid more.
あなたの能力を踏まえると、もっと給料をもらうべきだ。

All concerns being cleared, I will follow the plan.
すべての懸念が解消されたら、私はその計画に従いましょう。

【NOTE】分詞構文は様々な意味で使うことができ、どういうニュアンスで用いられているかは文脈から判断する必要があります。

分詞構文の意味の種類

分詞構文は主に、下記の意味を表します。

1.原因・理由を表す(~ので)
2.時を表す(~した時、~な時)
3.条件を表す(~ならば)
4.譲歩を表す(~だが)
5.付帯状況を表す(~しながら)

1.原因・理由を表す(~ので):

Having finished the assignment, I went out to see my friend.
課題が終わったので、友人と会うために出かけた。

Persuaded by her, I decided to take the class.
彼女に説得されて、その講義を受けることにした。

2.時を表す(~した時、~な時):

Arriving at the venue, I saw Jane sitting in the front seat.
会場に着くと、ジェーンが前の席に座っているのが見えた。

Running down the stairs, I fell and broke my ankle.
階段を駆け下りている時にこけて、足首を折った。

3.条件を表す(~ならば):

Trained properly, dogs can build good relationships with their owners.
適切にしつけをすれば、犬は飼い主と良い関係を築くことができます。

Looked after carefully, the plant will bear fruit through the summer.
ちゃんと世話をすれば、この植物は夏を通して実をつける。

4.譲歩を表す(~だが):

Understanding your points, I still cannot agree with you.
あなたの論点は分かったが、それでも私は賛成できない。

Living in Fukuoka, I rarely eat ramen.
福岡に住んでいるが、ラーメンはほとんど食べない。

5.付帯状況を表す(~しながら):

She remained silent, not knowing what to do.
何を言えばいいのか、何をすればいいのか分からずに、彼女は黙っていた。

My dad was sitting on the sofa with his arms crossed.
父は腕を組んでソファに座っていた。

独立分詞構文

独立分詞構文は、従属節の主語と主節の主語が異なっている場合に用いられます。

下記の例文①の、従属節の主語と主節の主語が異なっていることを確認します。
そのうえで①の接続詞(As)を省略し、動詞(was)を<being>に変えると「独立分詞構文」②になります。
独立分詞構文では①の従属節の主語(it)を、②で残すところがポイントです。

①As it was very cold, I stayed home all day.

【独立分詞構文】
②It being very cold, I stayed home all day.
とても寒かったので、私は一日中家にいました。
※従属節の主語(it)は省略しません。

With+独立分詞構文

<with+O+現在分詞/過去分詞>の副詞句では、「Oが~しながら/したままで/されたままで」という意味の付帯状況を表します。

She started singing outside with her hair blowing back in the wind.
彼女は髪を風になびかせながら外で歌い始めました。

懸垂分詞

独立分詞構文で、従属節の主語と主節の主語が異なるのにもかかわらず、従属節の主語を省略した形の構文を懸垂分詞と呼びます。文脈から話し手が主語だと容易にわかる場合に用いられることがあります。

下記の例文①では、従属節の主語(I)と主節の主語(the baby)が異なっています。しかし、状況から従属節の主語が話し手であることが明らかな場合は、例文②の「懸垂分詞」で表現できます。

①When I made a loud noise, the baby started crying.

【懸垂分詞】
②Making a loud noise, the baby started crying.
私が大きな音をたてると、赤ちゃんが泣きだしました。

例文で学ぶ英文法 (目次)