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例文で学ぶ英文法「能動態・受動態」

このシリーズでは英文法を例文を使って分かりやすく解説します。今回のテーマは「能動態・受動態」です。

態とは、主語がある動作を「する」のか「される」のかを表す動詞の形です。「主語が~する」ことを表すのが「能動態」、「主語が~される」ことを表すのが「受動態」です。

Everyone loves the song(皆その歌が大好きだ)と The song is loved by everyone(その歌は皆に愛されている)は、どちらも同じことを表している文章ですが、主語が異なります。このように、「する方」と「される方」のどちらを主語にするかによって、態は変わります。

能動態と受動態

能動態は、動作を行うもの(動作主)を主語として「~する、した」と表現する文、受動態は、動作を受けるもの(被動作主)を主語として「~される、された」と表現する文です。

【1】下記の例文は、「母(主語)がそのケーキ(目的語)を焼いた(動詞)」ことを意味する能動態の英文です。

My mom baked the cake.
母がそのケーキを焼いた。

【2】下記の例文を直訳すると「そのケーキは母によって焼かれた」という意味になります。上記の例文(能動態)では目的語だった「ケーキ」が、下記の例文では主語になっています。

The cake was baked by my mom.
そのケーキは母が焼いた。

【NOTE】受動態を使うと、能動態に比べて「誰が何をやったのか」の「誰が」にあたる部分が曖昧になります。そのため、「誰がやったかを明らかにしたくない、またはできない場合」と「誰がやったのかを明示する必要がない場合」を除いては、あまり使われない傾向があります。

動作主を隠す受動態

【1】下記の例文(能動態)では、「誰が」窓を割ったのかがはっきりと分かります。

Mom, I broke the window.
お母さん、窓を割っちゃった。

【2】下記の例文(受動態)には、「誰が」窓を割ったのかが明示されていません。母親に報告した子供が、自分が割ったことを隠しているのかもしれないし、外から物が飛んできて窓に当たったのかもしれません。このように、受動態を使うと動作主を意図的に隠している、また動作主が誰なのかが分かっていないというニュアンスが出ます。

Mom, the window was broken.
お母さん、窓が割れてたよ。

動作主を明示する必要がない受動態

動作主を明示する必要がない状況はいくつか考えられます。一つは、一般的に言われていることについて述べる場合です。

It is said that the politician resigned because of the scandal.
その政治家はスキャンダルのため辞任したと言われている。

【1】下記の例文で重要なのは、「誰が東京タワーを建てたのか」ではなく、「いつ東京タワーが建てられたのか」です。そのため、動作主は省略されてます。誰がやったのかが重要ではないので、動作主を明示していません。

Tokyo Tower was built in 1958.
東京タワーは1958年に建てられた。

【2】下記の例文で重要なのは、「誰がこの車を作ったのか」ではなく、「どこ製であるのか」です。そのため、動作主は省略されています。また、わざわざ言及しなくても誰が動作主であるのかが明らかである場合にも、動作主は省略されます。

This car is made in Italy.
この車はイタリア製だ。

【3】下記の例文は動作主が省略されています。英語とフランス語を話す動作主は「カナダ人(Canadians)」です。動作主がカナダ人であることは「in Canada(カナダでは)」の句で判断できます。

English and French are spoken in Canada.
カナダでは英語とフランス語が使われている。

受動態の作り方

受動態は、能動態の被動作主を主語とし、「be動詞+動詞の過去分詞形」で作ります。

The office is cleaned every day.
事務所は毎日掃除されます。

That house is owned by Mr Jones.
あの家はジョーンズさんに所有されています。

下記の例文では、「美味しいクッキー」について話しています。そのため、その美味しいクッキーを作ったのが誰であるかは、重要な情報であると考えることができるます。

A: These cookies are delicious!
このクッキーは美味しいね!

B: Yeah, they are. They were made by Jane.
うん、美味しいね。メアリーが作ったんだよ。
※直訳:クッキーはメアリーによって作られたんだよ。

【NOTE】動作主が誰、または何であるのかを明示する場合はbyを用います。ただし、受動態を用いる場合には動作主が省略されます。受動態を使ったうえで、あえてbyで動作主を明示すると、「動作主が誰であるのか」という情報が、重要な意味をもっているというニュアンスが出ます。

動詞の過去分詞形

受動態は現在形だけでなく、過去形や未来形、完了形などでも用いることができますが、まずは動詞の過去分詞の作り方を確認しておきましょう。

過去分詞は、基本的には過去形と同様に動詞の原形にedをつけて作ります。下記は規則動詞の一例です。

open → opened(過去形)→ opened(過去分詞形)

play → played(過去形)→ played(過去分詞形)

live → lived(過去形)→ lived(過去分詞形)

study → studied(過去形)→ studied(過去分詞形)

※過去形、過去分詞形ともに固有の形をもつ不規則動詞については、ページ末の表を参照してください。

受動態の疑問文

受動態を疑問文にする場合は、be動詞を文頭にもってきます。

Is that watch made in Switzerland?
その腕時計はスイス製ですか?

Is this room cleaned every day?
この部屋は毎日掃除されていますか?

受動態の否定文

受動態を否定文にする場合は、be動詞の後にnotをつけます。

That watch isn’t made in Switzerland.
その腕時計はスイス製ではない。

This room is not cleaned every day.
この部屋は毎日掃除されていない。

受動態の時制

受動態は、be動詞の時制を変更することで、過去や未来を表すことができます。

【過去形:was/were+過去分詞】

These books were written by her.
これらの本は彼女によって書かれた。

I was surprised by the news.
私はその知らせに驚かされた。

That painting was sold last week.
あの絵は先週売られました。

【未来形:will be+過去分詞】

Their album will be released next week.
彼らの新しいアルバムは来週発売されます。

The opening speech will be made by the president.
開会の辞は会長によって述べられる。

【進行形:is/are being+過去分詞】

A new application is being installed.
新しいアプリが今ダウンロードされているところだ。

A new building is being built in the business district.
ビジネス街に新しいビルが建てられている。

【現在完了形:have/has been+過去分詞】

The suggestion has been turned down by the board of directors.
その提案は、役員会によって退けられてしまった。

【過去完了形:had been+過去分詞】

The venue had been set up when I got there.
私が到着した時には、会場はすでに設営されていた。

【未来完了形:will have been+過去分詞】

The job will have been finished by the time the boss gets back.
その仕事は上司が戻ってくるまでには終えられているだろう。

受動態にできる条件

冒頭で、能動態の文章における目的語(被動作主)が受動態の主語となると説明しました。つまり、ある文章を受動態にするには、文中に目的語がある必要があります。言い換えると、目的語を必要としない自動詞を使った文章は、原則的には受動態にすることができません。しかし、目的語を必要とする他動詞が使われた文章であっても、受動態にすると不自然になってしまうことがあります。

【1】下記の例文は、動詞のhaveを使ったの能動態と受動態です。このhaveはtwo smartphonesを目的語とする他動詞ですが、下記の能動態を受動態にすると不自然です。

【能動態】
I have two smartphones.
私はスマートフォンを二台持っている。

【受動態にできない✖】
Two smartphones are had by me.
二台のスマートフォンは私に持たれている。

【2】下記の例文は、能動態を受動態へ変換できない例です。受動態にした英文が意味をなしていなければ(不自然な場合は)、その動詞は受動態では使えません。

【能動態】
I have blue eyes.
私の目は青い。

【受動態にできない✖】
Blue eyes were had by me.
青い目は私に持たれている。

【能動態】
This skirt costs $30.
このスカートは30ドルだ。

【受動態にできない✖】
$30 is cost by this skirt.
30ドルはこのスカートによって値段にされている。

【能動態】
I entered the office.
私は事務所に入った。

【受動態にできない✖】
The office was entered by me.
事務所は私に入られた。

【能動態】
She bought me a cup of coffee.
彼女は私にコーヒーをおごってくれた。

【受動態にできない✖】
I was bought a cup of coffee by her.
私は彼女にコーヒーを買われた。

不定詞の受動態

不定詞の受動態は「to+be+過去分詞」と「to+have+been+過去分詞」の構文で表します。

【to+be+過去分詞】
There are some important points to be learned in this page.
このページには覚えるべき重要なポイントがいくつかあります。

【to+be+過去分詞】
I was surprised to be told that my daughter passed the exam.
彼は娘が試験に合格したと言われて驚いた。

【to+have+been+過去分詞】
The picture is presumed to have been painted by the ancient Romans.
この絵は古代ローマ人によって描かれたと思われる。

動名詞の受動態

下記の例文①の動名詞(reading)を②のbeing+過去分詞(being read)へ変化させると、動名詞の受動態(例文②)になります。

【動名詞】
①She likes reading books with her mother.
彼女はお母さんと一緒に本を読むことが好きです。

【動名詞の受動態】
② She likes being read books from her mother.
彼女はお母さんから本を読んでもらうことが好きです
※ readの過去形・過去分詞形の綴りはreadですが発音(記号)はredです。

第3文型の受動態

下記の第3文型(①)の目的語を主語にして受動態(②)を作ります。

【第3文型】
①My father helped me.
父が私を助けた。

【受動態】
②I was helped by my father.
私は父から助けてもらった。

第3文型から受動態の作り方:
1.①の間接目的語(me)を②の主語(I)にする
2.①のhelped(動詞)を②のbe動詞+過去分詞(was helped)の形にする
3.①の主語(my father)を②の副詞句(by my father)とする

第4文型の受動態

第4文型を受動態へ変換する方法は、間接目的語を主語にする場合と直接目的語を主語にする場合の2通りあります。

【第4文型】
①My teacher gave us a lot of homework.
私の先生は私たちにいくつか宿題を出しました。
※主語(My teacher) + 動詞(gave) + 間接目的語(us) + 直接目的語(a lot of homework)

【間接目的語を主語にした受動態】
②We were given a lot of homework by my teacher.
私たちは先生から沢山の宿題を出されました。

第4文型 から受動態の作り方:
1.上記①の間接目的語(us)を②の主語(We)にする。
2.①の動詞(gave)を②のbe動詞+過去分詞(were given)にする。
3.①の主語(My teacher)を②の副詞句(by my teacher)とする。

【直接目的語を主語にした受動態】
③A lot of homework was given to us by my teacher.
いくつかの宿題は先生によって私たちへ出されました。

第4文型 から受動態の作り方:
1.上記①の直接目的語(A lot of homework)を③の主語にする
2.①の動詞(gave)を③のbe動詞+過去分詞(was given)の形にする
3.①の間接目的語(us)を③の副詞句(to us)にする
4.①の主語(My teacher)を③の副詞句(by my teacher)とする。

【NOTE】
1.homeworkは不可算名詞だからA lot of homeworkは複数形(s)の形にしません。
2.give(与える)、 tell(教える)、sent(送る)、read(読む)などの動詞を受動態「be + 過去分詞」にする場合、目的語(人)の前にtoを付けて「be + 過去分詞 + to」の構文になります。

第4文型の間接目的語を主語にできない受動態

第4文型「主語 + 動詞 + 間接目的語(人) + 直接目的語」の 間接目的語 と直接目的語を置き換えて、第3文型「主語 + 動詞 + 目的語 + for (人)」の構文になる場合、第4文型の間接目的語を主語にして受動態を作ると文が不自然になります。

「主語 + 動詞 + 直接目的語 + for 間接目的語(人)」の第3文型ができる動詞は、buy(買う)、get(手に入れる)、make(作る)、choose(選ぶ)、cook(料理する)などがあります。

【第4文型】
①My mother bought me a doll.
母は私に人形を買った。
※主語(My mother) + 動詞(bought) + 間接目的語(me) + 直接目的語(a doll)

【第3文型】
My mother bought a doll for me.
※主語(My mother) + 動詞(bought) + 目的語(a doll) + 副詞句(for us)

【間接目的語を主語にした受動態 → NG】
②I was bought a doll by my mother.
※直訳すると「私が買われた」となり不自然です。受動態に変換できません。

【直接目的語を主語にした受動態】
③A doll was bought for me by my mother.
お人形は母が私のために買ってくれた。
※「be + bought」の受動態ではfor(前置詞)を必ず用います。

第5文型の受動態

下記の第5文型(①)の目的語を主語にして受動詞(②)を作ります。

【第5文型】
①She calls this cat Mimi.
彼女はこの猫をミミと呼びます。

【受動態】
②This cat is called Mimi by her.
この猫は、彼女からミミと呼ばれている。

第5文型 から受動態の作り方:
1.①の間接目的語(this cat)を②の主語にする
2.①の動詞(calls)を②のbe動詞+過去分詞(is called)の形にする
3.①の主語(she)を②の副詞句(by her)とする。

【NOTE】
①の補語(Mimi)を受動態の主語にした受動態は作ることはできません。

受動態の過去分詞が形容詞化した表現

下記は受動態(be動詞+過去分詞+前置詞)の過去分詞が形容詞化した例文です。

be surprised at(驚かされる):

①I was surprised at you.
私はあなたから驚かされました。

上記の①を能動態にすると下記②となります。

②You surprised me.
あなたは私を驚かした。

be interested in(~に興味・関心がある):

①I’m interested in this history book.
私はこの歴史の本に興味があります。

上記の①を能動態(下記②)で表すには、am interested inをinterest(名詞)に書き換えて、動詞にhaveを使います。

②I have an interest in this history book.
私はこの歴史の本に興味があります。

be pleased with(~が気に入る):

She is pleased with the toy.
彼女はそのおもちゃを気に入っている。

知覚動詞・使役動詞の受動態

知覚動詞は人間の五感で感じたことを表す動詞です。「見る」、「聞く」、「嗅ぐ」、「感じる」、「味わう」を意味する動詞が知覚動詞にあたります。使役動詞はmake、let、haveのように「~させる」という意味をもつ動詞です。

知覚動詞の受動態

知覚動詞の中で受動態にされることが多いのは、「見る」こと(see、watchなど)と「聞く」こと(hearなど)を意味する動詞です。

知覚動詞の能動態:

主語+知覚動詞+目的語+動詞の原形/ing形/過去分詞形

I saw him walking down the street.
私は彼が通りを歩いているのを見た。

I heard him sing alone.
私は彼が一人で歌っているのを聞いた。

知覚動詞の受動態:

主語(=能動態の文章の目的語)+be動詞+知覚動詞の過去分詞形+to不定詞

He was seen to be walking down the street.
彼は通りを歩いているのを目撃された。

He was heard to sing alone
彼は一人で歌っているのを聞かれた。

使役動詞の受動態

使役動詞は「~させる」ことを意味する動詞です。使役動詞には「~させてやる」という許可のニュアンスをもつlet、強制的に「~させる」ことを意味するmake、強制的なニュアンスは無い「~させる」を意味するhaveがあります。ただし、受動態で使われることがあるのはmakeのみです。

【1】下記の例文で、能動態を受動態にする場合は、知覚動詞の受動態と同様にto不定詞を用います。

【能動態】
She made her son do the dishes.
彼女は息子に食器洗いをさせた。

【受動態】
Her son was made to do the dishes.
彼女の息子は皿洗いをさせられた。

【2】下記の例文では、能動態では「let」を使っていますが、受動態では「allow」に置き換えています。

【能動態】
She let her son join the soccer team.
彼女は息子をサッカーチームに入れてやった。

【受動態】
Her son was allowed to join the soccer team.
彼女の息子は、サッカーチームに入ることを許された。

He was allowed to join the soccer team by his mom.
彼は母親からサッカーチームに入ることを許可された。

【3】下記の例文では、能動態では「have」を使っていますが、受動態では「ask」に置き換えています。

【能動態】
She had her son walk the dog.
彼女は息子に犬の散歩をしてもらった。

【受動態】
Her son was asked to walk the dog.
彼女の息子は犬の散歩をするように頼まれた。

He was asked to walk the dog by his mom.
彼は母親から犬の散歩をするよう頼まれた。

不規則動詞変化表

下記の表は、主な不規則動詞の変化表です。

現在形過去形過去分詞
begin(始まる)beganbegun
break(壊す)brokebroken
choose(選ぶ)chosechosen
cut(切る)cutcut
do(する)diddone
drink(飲む)drankdrunk
drive(運転する)drovedriven
fall(落ちる)fellfallen
feel(感じる)feltfelt
find(見つける)foundfound
forget(忘れる)forgotforgotten
get(手に入れる)gotgot/gotten
give(あげる)gavegiven
go(行く)wentgone
have(持っている)hadhad
know(知る)knewknown
make(作る)mademade
pay(払う)paidpaid
read(読む)readread
say(言う)saidsaid
send(送る)sentsent
sing(歌う)sangsung
sleep(寝る)sleptslept
take(取る)tooktaken
teach(教える)taughttaught
think(思う)thoughtthought
understand(理解する)understoodunderstood
write(書く)wrotewritten

例文で学ぶ英文法 (目次)

英文法の一覧と解説