「逆説・対比」の意味を持つ英単語の使い分け

このシリーズでは、いろんな種類の類義語を学習します。今回は「逆説・対比」の意味を持つ英単語の使い分けとニュアンスの違いを解説します。

「逆説・対比」の英単語

but, however, yet, still, nevertheless

使い分けのポイント

butは直前に述べた内容と反対の、または対照的な内容の文や節、語句を述べる場合に使う接続詞です。例えば、“I wanted to see the movie but could not.”(映画を見に行きたかったが、行けなかった)という文章では、「映画に行きたかった」という内容とは反対の「行けなかった」がbutによって接続されています。また、“I wanted to eat Chinese food, but he wanted to have Japanese food.”(私は中華料理を食べたかったが、彼は和食を食べたがった)という文章では、「私は中華料理を食べたい」という内容と「彼は和食が食べたい」という内容がbutによって対照されています。

howeverは話し言葉よりも書き言葉で頻繁に使われる副詞で、butと同様にすでに述べた内容とは違う、または対照的な内容を導きます。ただし、howeverはbutほど意味が強くはなく、「しかしながら」と控えめに述べるというニュアンスがあります。また、butは文中のみで使われますが、howeverは“We thought that the machine was working fine. However, some defects were detected during the inspection.”(私達は機械は問題なく動いていると思っていた。しかしながら、点検でいくつかの欠陥が見つかった)や、“We though that the machine was working fine. Some defects were detected, however.”のように、文頭や文末で使うこともできます。ただし、“We thought that the machine was working fine. Some defects were detected, however, during the inspection.”のように、前後をコンマで区切って文の途中で使われることが多いです。

yetはbutよりも強く対比を表す接続詞です。例えば、“She paints better than anyone in the class but she could not win first place.”は「彼女はクラスの誰よりも絵を描くのが上手いが、一等はとれなかった」という意味の文章ですが、yetを使って“She paints better than anyone in the class, yet she could not win first place.”とすると、「彼女はクラスの誰よりも絵を描くのが上手いのにもかかわらず、一等はとれなかった」のように、前後の対比を強調する文章になります。

stillは直前に述べた内容から通常予測される結果とは反することを述べる場合に使う副詞です。例えば、“I was very careful. Still, I made a mistake.”(とても注意していたのに、それでもミスをした)には、「非常に注意していたならばミスをしないというのが通常予測される結果であるのに反して」というニュアンスが含まれています。また、“Although he promised that he won’t be late, I still don’t think he’ll come on time.”(彼は遅刻しないと約束したが、それでも私は彼は時間通りに来ないと思う)には、「遅刻しないと約束したならば時間通りに来るはずなのに」というニュアンスが含まれています。

neverthelessはstillよりも硬く、“We knew that she would not be able to join us, but we were disappointed nevertheless.”(彼女が参加できないとは分かっていたが、それでもがっかりした)のように、直前に述べたことが事実であると認めたうえで、対照的なことを述べる場合に使う副詞です。

【目次】

but

[接続詞の主な意味]
 (対立)しかし、だが。[最も一般的な表現]

[発音]
 bət, bʌ́t バット(アクセントは、バ)

[例文]
 I would like to go to the party, but I can’t.
 訳:私はそのパーティーに行きたいが、行けない。

【BACK】

however

[副詞の主な意味]
 (譲歩・対比)しかしながら。[硬い表現]

[発音]
 hauévər ハウエヴァー(アクセントは、エ)

[例文]
 He has been working on the problem for hours. So far, however, he has made little progress.
 訳:彼はその問題に何時間も取り組んでいる。しかし、今のところ成果はほとんど出ていない。

【BACK】

yet

[接続詞の主な意味]
 (強い対比)けれども、しかし。

[発音]
 jét イェット(アクセントは、イェ)

[例文]
 That company’s products are not good quality, yet they are very popular.
 訳:その会社の製品は品質は良くないが、とても人気がある。

【BACK】

still

[副詞の主な意味]
 (対照)それでも。

[発音]
 stíl スティル(アクセントは、ティ)

[例文]
 It rained all day. Still, we had a good time.
 訳:一日中雨が降った。それでも、楽しかった。

【BACK】

nevertheless

[副詞の主な意味]
 (対照)それにもかかわらず。[硬い表現]

[発音]
 nèvərðəlés ネヴァーザレス(アクセントは、レ)

[例文]
 She had a high fever. Nevertheless, she decided to go to work.
 訳:彼女は高熱があった。それにもかかわらず出社することにした。

【BACK】

以上、ご閲覧ありがとうございました。