このシリーズでは、TOEICテストで800点超えを達成したTOEIC上級者の勉強法を公開します。
今回はTOEICスコア850点のshimanomiさんが執筆したTOEICテストで800点を取得するための勉強法をご紹介します。
英語普通の女子でもTOEIC800点超え
私は幼いころから特に英語がうまく話せるわけでもなく、塾や英会話教室に通ったことも海外留学経験もありませんでした。英語の知識といえば学校の授業で習う程度のもの。そんな私ですが、自分なりの勉強法を見つけたことでTOEIC850点を取得することができました。
私の勉強法では、少ない勉強時間でも費用をかけなくても、効率的に点数アップが狙えます。詳しく紹介しますのでぜひ参考にしてみて下さいね。
英語力よりも重要なTOEIC力
よく言われることですが、英語が流暢に話せる人でもTOEICの点数が高いとは限りません。その理由はTOEICという試験の特徴にあります。
TOEICに出てくる文章はビジネス的なものがほとんどです。そのため日常会話では使わないような単語や言い回しが多く出現します。またリスニングセクションはスピードが速い上、発音の訛りもあるので余計に聞き取りにくくなります。さらにリーディングセクションは試験時間に対して設問数が多く、全問解き終えられなかったり、焦って実力が出し切れなかったりする場合もあります。
ある程度の英語力は持っているのに、これらのTOEICならではの難点に苦戦して点数が伸び悩んでいる方も多いのではないでしょうか?TOEIC800点台を突破するためには、英語力を伸ばすだけではなく「TOEICという試験に適した力が必要になってきます。
では次からは、リスニング・リーディングそれぞれに必要な対策と、それを身に着けるための勉強法をご説明します。
リスニングセクション攻略の裏ワザ
リスニングセクションにおいて難易度の高いPart3、Part4では、長めの会話やスピーチなどを聞いた後、その内容に関して3つの設問に答えます。ここではあらかじめ設問に目を通して内容を理解しておくことが重要になります。
Part3が始まってから設問を読み始める人も多いかと思います。しかし私の経験上、一問でも回答に時間がかかると、それ以降の設問を先読みする時間がどんどんなくなってしまいます。
ではどのように先読みする時間を確保するのでしょうか?私は各Partの初めに読まれる説明文と、Part1とPart2で読まれる例題の時間を、Part3からの設問を読む時間にあてています。その時間ですべて読み切ることはできませんが、少しでも先読みできればPart3からの回答にかかる時間を短くできます。時間に余裕をもって回答することができるので、ミスを減らすことができます。
設問を先読みするメリットは他にもあります。先読みすることで読まれる文章の内容をある程度予想することができるので、どんな文章が読まれるかわからない状態で聞くのと比べると、ぐっと理解しやすくなるのです。
リーディングパートは時間配分がカギ
リーディングパートは時間との戦いです。100問を75分間で答えるので1問に1分もかけられません。少しでもつまずくとどんどん残り時間が少なくなり、焦りにつながります。ここではしっかりと時間配分を考えることが大切です。私は下記のペースを目安にしています。
- Part5(短文穴埋め) 12分30秒(1問25秒×30問)
- Part6(長文穴埋め) 8分30秒(1問約30秒×16問)
- Part7(読解問題) 54分(1問60秒×54問)
Part6とPart7は文章を読む時間も含むので、1問何秒というよりは、設問ごとに何分というくくりで考えた方が良いかもしれません。難しい問題に時間をかけて取り組むよりも、解ける問題を確実におさえる方が大事です。そのためこの目安の秒数を考えてもわからない問題は飛ばします。回答スピードをコントロールできるので、時間に関して焦らなくなり、結果的にスコアを上げることができます。
TOEICテスト模試を沢山解く
今まで説明したことはTOEIC本番でのテクニックといえます。しかしこれらを本番でいきなり試そうとしても難しいので、普段の勉強でしっかりと練習を積んでおくことが重要です。
私がおすすめする勉強法は「模試をとにかくこなすです。模試を2時間通すことはなかなか難しいですが、せめてリスニングパートは45分通してやることをおすすめします。リーディングパートも通してやるのがベストですが、時間がとれない場合はパートごとに時間を計ってやりましょう。まずは上述した問題の先読みや時間配分に慣れて、本番でも実施できるようにしましょう。
模試をうまく活用すれば、他の問題集などをやらなくても英語力をアップできます。私の場合は模試を解いた後に、間違った問題のみを見直して間違えた原因を確認します。正解した問題は特に見直しません。このとき注意したいのが、模試を解くときにわからない問題は無回答としておくことです。本番ではわからなくても何かしら回答する必要がありますが、模試では「わからないところ」「苦手なところ」を抽出できないと意味がないので、勘で回答することは控えます。
こうして模試と間違いの復習を繰り返すと、自分の間違いやすい問題がどんどん絞り込まれていきます。意味が分からなかった単語だけを単語帳にしてスキマ時間に見直したり、何度も間違えてしまう文法をノートにまとめたりするのも良いでしょう。テストのテクニックに慣れながら、同時に自分の苦手部分に重点をおいた勉強もできるのです。
図書館でTOEIC問題集を借りる
私がTOEIC850点取得のための勉強にかけた金額はゼロでした。というのも、問題集などはすべて図書館で借りたのです。問題集は自分で購入すべきという考えの方が多いかもしれませんが、図書館を利用することにはメリットがあります。
一つは、たくさんの問題にトライできること。金銭的な負担がないので、何冊でも問題集を試すことができます。自分で購入した数冊の問題集を繰り返しやるのも効果はあるかもしれませんが、答えを暗記してしまったり飽きてしまったりする恐れもあります。できる限り多くの問題に触れるほうが力もつきますし「問題は違うけどパターンは似ている」という応用もできるようになります。
もう一つのメリットは、返却期限があること。「問題集を買ったけど積んだままになっている」「途中までで止まっているという人も多いのではないでしょうか?図書館で借りると「返却期限までに必ずやり終える」と短期間の目標ができ、自然に自分を追い込むことができますよ。
大学などの図書館にはTOEICの公式問題集やその他の問題集が豊富に揃っています。大学の図書館は在学生でなくても利用できますし、ホームページで蔵書検索できるところが多いので、地域の図書館にない場合は近隣の大学の図書館の情報をチェックしてみてください。ただしTOEICの出題形式は2016年に変更されています。図書館には古い問題集もありますので、借りる時は模試が古い問題形式になっていないかよく確認してくださいね。
カランメソッド勉強法
ここからは少し余談になりますが、せっかく勉強するならTOEICのスコアアップだけでなく、本当に話せる英語力を身につけたいですよね。そのためにはやはりある程度時間をかけてインプットとアウトプットの機会を増やす必要があります。忙しい人にとってはなかなか難しいことです。そんな方におすすめしたいのは「カランメソッド」という勉強法です。
カランメソッドとは「英語で考えて英語で話す訓練」のようなもの。基本的には講師とマンツーマンで行い、講師が質問を読み上げたら間髪入れずに答えを言います。少しでも言いよどんだら講師が回答を言ってしまうので、それに食らいつくような感じです。初めはごく簡単な「Is this a pen?」のような質問なのですが、これに対して「Yes/No」だけではなく「No it isn’t a pen, it’s a pencil.」のようにフルセンテンスで答える必要があります。徐々に難しくなっていくので文法の知識もつきますし、慣れるうちに「英語で考えて英語で答える」ということができるようになってくるのです。
カランメソッドは予習・復習も必要ですが、テキストを開く必要はないので、私は通勤中の車の中で音声を聞いて勉強しています。イギリス英語を使うなどの少し特殊な部分もあるのですが、私はこれを始めてから英語で考えて話すということが本当にできるようになりました。この能力はTOEICにもかなり有効です。私は今、TOEICのさらなるスコアアップを目指してカランメソッドに取り組んでいます。カランメソッドの体験動画などもありますので、興味がある方は調べてみてくださいね。
ちなみに私はカランメソッドの実践にオンライン英会話の「ネイティブキャンプ」を利用しています。ネイティブキャンプでは予約の必要がなく、空いている講師とすぐにレッスンを開始することができるので、まとまった時間が取りにくい私にはピッタリの方法でした。オンライン英会話によってカランメソッドができないところもありますし、利用方法や金額なども様々なので、自分に合ったサービスを探してみてくださいね。
最後に
いかがでしたか?今回紹介した勉強法はTOEICのスコアアップを第一の目的としたものですが、TOEICの点数は「英語力の証明」であって「英語学習のゴール」ではありません。TOEICで高得点を取れれば幅広い仕事や海外経験にチャレンジする機会も増えると思います。TOEICの先のゴールのためにも、まずは今回紹介した勉強法を参考にTOEICのスコアアップを目指してみてくださいね。
プロフィールとTOEIC公式認定証
今回のブログ記事を執筆して頂いたライターさんのプロフィールと、TOEIC公式認定証です。
- shimanomi全く英語学習に力を入れていない工業高専在学中にTOEIC700点台を取得。称賛されて勘違いして英語好きに。卒業後にTOEIC800点台を取得。現在はメーカー勤務。