TOEIC Part5 問題集 Vol.2-1 | 英語ネイティブ先生作成

このシリーズではアメリカ人の英語教師が作成するTOEIC Part5 練習問題とその解き方や英文法を解説します。

TOEIC Part5 短文穴埋め問題 Vol.2-1

英文の空欄に該当する最も適切な単語やフレーズを(A)~(D)の選択肢から選んでください。

Question #1

The long reports __________ in details about finance and cash flow, which are baffling the staff.

(A) abound
(B) abounded
(C) had abounded
(D) will abound





※問題の解答は下にあります↓




Q1の解説(時制の文法問題)

【問題文】
The long reports abound in details about finance and cash flow, which are baffling the staff.

その長い報告書には財務とキャッシュフローに関する詳細な記述が多くあり、そのことがスタッフを途方に暮れさせている。

(A) abound (B) abounded (C) had abounded (D) will abound

“,which”以下は関係代名詞の非制限用法です。非制限用法は直前の名詞だけを先行詞にとることもできますが、今回のように1文全体を先行詞にすることもあります。どちらのパターンかは文脈で判断しましょう。

aboundは「豊富である」「たくさんある(いる)」という意味の自動詞、baffleは「(人を)当惑させる、挫折させる、(物事の進行を)妨げる」という意味の他動詞です。どちらもハイレベル層向けの単語ですが、aboundはbe full of, be abundant、baffleはbewilderやconfuse, frustrateなど、より簡単で頻出の表現で言い換えることができます。

【解き方】
主節(The long reports〜cash flowまでの文)の動詞とwhich以下の動詞の時制を一致させましょう。

which以下の動詞は現在進行形なので、現在形のAが正解です。他の選択肢だと主節と関係代名詞節との時間関係がちぐはぐになってしまいます。

ちなみに主節の動詞aboundは「〜が多くある」という状態を表す動詞のため、通例として進行形にはしません。

【不正解の選択肢】
(B) aboundedは動詞の形が過去形で、which以下(現在時制)と一致しません。日本語の感覚だと「過去にこうだったのだから、現在もきっと同じだろう」と考えて文を作りがちですが、英語では過去の事実と現在の状況を明確に分けて文章化します。

(C) had aboundedは動詞の形が過去完了形で、which以下(現在時制)と一致しません。過去完了形の動詞は「過去のある一定期間」の動作を表します。

(D) will aboundは未来形になっているので、which以下(現在時制)と一致しません。特にwillを使った未来形は確実性が不明なときにも使う表現のため、仮にこの選択肢をあてはめて英文を作ると「まだ内容も決まっていない報告書のことで何を悩んでいるの?」という感じを与えてしまいます。

【答え】
(A) abound

Question #2

The manager agreed to the plan __________ with satisfaction and then was willing to put it into practice.

(A) reluctantly
(B) by compromise
(C) for the most part
(D) against his will





※問題の解答は下にあります↓




Q2の解説(フレーズの語彙問題)

【問題文】
The manager agreed to the plan for the most part with satisfaction and then was willing to put it into practice.

経営者はその計画の大筋に満足して合意し、そしてそれを実行に移すことにも前向きだった。

(A) reluctantly (B) by compromise (C) for the most part (D) against his will

and then以下の節の主語はThe managerで、最初の節と同じ人物について述べているので省略されています。

willing to do: 〜する準備ができている、前向きな態度である
put O into practice: Oを実行に移す、実践する

【解き方】
and then「それから〜、その上〜」という接続詞から、前後の節は順接の関係だと分かります。文中のwith satisfaction「満足して」、was willing to「〜するのに前向きである」という語句もヒントになっており、「経営者が計画に同意しているし、そのことに満足している」という文の大意に沿った選択肢を選べばOKです。for the most part(ほとんど、大部分で)という意味の(C)が前後の文の流れにもっとも合致しています。

【不正解の選択肢】
(A) reluctantlyは「嫌々ながら」という意味を持つ副詞です。文の流れにそぐわないため不正解です。

[例] He reluctantly gave his consent to his daughter’s marriage.

彼はしぶしぶ娘の結婚に同意した。

(B) compromiseは「妥協」という意味の名詞で、by compromiseで「妥協して」という意味です。直後にあるwith satisfaction「満足して」とそぐわないため、不正解です。

[例] We finally settled the argument by compromise.

我々は妥協によってようやくその論争を収めた。

(D) against his willは「彼の意志に反して、不本意ながら」という意味です。againstは「〜に反して」という対立的な意味を持つ前置詞、willは名詞で「意志」という意味。Dを入れると前後の語句と調和せず不自然な文になってしまいます。

[例] She was forced to work overtime against her will.

彼女は意思に反して残業を強いられた。

【答え】
(C) for the most part

Question #3

Assembly line robots move faster and with greater precision than humans, which can __________ the plant workforce.

(A) sophisticate
(B) streamline
(C) downsize
(D) abridge





※問題の解答は下にあります↓




Q3の解説(動詞の語彙問題)

【問題文】
Assembly line robots move faster and with greater precision than humans, which can downsize the plant workforce.

組み立てラインのロボットは、人よりも速くより高度な正確性で動くため、工場の労働人員を削減できる。

(A) sophisticate (B) streamline (C) downsize (D) abridge

主節の“Assembly line”は「組み立てライン」という意味。“with greater precision”は“and”の前にある“move”を修飾する副詞句です。「前置詞+名詞」が動詞の後ろにある場合、副詞句として動詞を修飾します。この問題では、「~を伴う」という意味の“with”が前置詞で用いており、「より高度な正確性を用いて動く」ことを表現しています。尚、名詞の後ろに「前置詞+名詞」が来る場合は、名詞を修飾する役割を果たし、形容詞句と呼びます。

従位節の“which ~ workforce”の“which”は主節全体(“Assembly ~ humans”)を修飾しており、“which”の前にコンマがあることから判断できます。関係代名詞の前にコンマが付く場合、「非制限用法」の関係代名詞といい、先行詞について補足的に説明を追加します。逆に関係代名詞の前にコンマが付かない場合、「制限用法」といい、先行詞を限定して区別します。

【解き方】
主節の“human”と従位節の“the plant workforce”がともに「工場で働く労働者」を示しています。主節で“human”よりも“Assemble line robots”の方が優位であると述べているため、「人員を削減する」の意味の(C) downsizeが正解です。

【不正解の選択肢】
(A) sophisticateは他動詞で「(人・ものを)洗練する。(もの・技術などを)複雑にする」という意味。

[例] The board of directors is discussing how to sophisticate their employees’ attitude.

取締役会は、従業員らの態度を洗練する方法について議論している。

(B) streamlineは他動詞で「(仕事・組織などを)合理化する、簡素化する」という意味。

[例] The introduction of the robots enabled the plant workforce to streamline their workflow.

ロボットの導入が、工場労働者の作業手順を簡素化することを可能にした。

(D) abridgeは他動詞で「(本やストーリーなどを)短くする」という意味。

[例] The Director wants to abridge the scenario for the play.

監督は、その芝居の台本を短くしたいと思っている。

【答え】
(C) downsize

Question #4

The Director insisted her newest play have improved production because the __________ plays had lacked substantial revenue due to poor quality.

(A) upcoming
(B) planning
(C) following
(D) preceding





※問題の解答は下にあります↓




Q4の解説(語彙問題)

【問題文】
The Director insisted her newest play have improved production because the preceding plays had lacked substantial revenue due to poor quality.

前の演劇は品質が悪く大きな収益を欠いていたため、監督は彼女の新しい演劇の演出が改善していることを主張した。

(A) upcoming (B) planning (C) following (D) preceding

主節の“insisted”は過去形で「主張した」という意味。「違う考えを持つ相手に主張する」というニュアンスで使われています。“insisted”と“her”の間に“that”(V+that節)を書けますが省略されています。“production” は「演出」という意味。問題文では「演出」全般を表しているため不可算名詞となり、冠詞が省略されています。

【解き方】
従位節の“because ~ quality”は主節の行動に至った理由を表しています。過去完了形(plays had lacked)は、主節で起こったことよりも過去に起こったことを表しているので、空所に入るplaysを修飾する形容詞は、「(時間・場所が)前の」という意味のprecedingです。

【不正解の選択肢】
(A) upcoming は「次の、もうすぐやって来る」という意味。“the upcoming plays”だと未来を表すからNG。

[例] She is excited about the upcoming holidays.

彼女は、次の休みを心待ちにしています。

(B) planning は「企画・計画」という意味の名詞。planningは形容詞用法でよく使いますが、ここでは文意が通らないのでNG。

[例] John works for a planning company.

ジョンは企画会社に勤めています。

(C) following は「次の、次に来る」という意味の形容詞。“the following plays”だと未来を表すからNG。

[例] Please answer the following questions.

次の質問に回答してください。

【答え】
(D) preceding

Question #5

The new product from R&D is so __________ that it can fill the roles of three separate products from competitors.

(A) prime
(B) reliable
(C) versatile
(D) legitimate





※問題の解答は下にあります↓




Q5の解説(形容詞の語彙問題)

【問題文】
The new product from R&D is so versatile that it can fill the roles of three separate products from competitors.

R&D社の新製品は、かなり用途が広いので、競合他社の異なる3つの製品の役割を果たすことができます。

(A) prime (B) reliable (C) versatile (D) legitimate

「so ~ that (主語+動詞)」は「とても~なので・・・」を意味する構文です。“so”の後は形容詞、副詞が続きます。名詞を続ける場合は「such ~ that (主語+動詞)」と書きます。このthat節の主語である“it”はR&D社の新製品のことです。“versatile”(多才な、多目的に使用できる)の発音はイギリス英語だと「və́ːrsətail」、アメリカ英語だと「və́ːrsətəl」です。“fill”は「満たす」という意味ですが、“fill the role(s) of”で「~の役割を(十分)果たす」という意味です。

【解き方】
選択肢は全て形容詞ですので、文脈で見極めます。空欄に入る形容詞は、“the new product from R&D”(R&D社の新製品)の属性を表します。R&D社の新製品には、その属性があるため、“fill the roles of three separate products from competitors”(競合他社の3製品の役割を果たす)と考えます。正解は、「多目的に使用できる」という意味を持つ“versatile”です。

【不正解の選択肢】
(A) prime は「主要な、極上の」という意味。原義は「最初の」です。「(最初に塗る)下塗り塗料」や「(最初に火をつける)導火線」のことを“primer”といいますが、同じ語源です。文意に合わないのでNG。

(B) reliable は「信頼できる」という意味。“rely”(頼る)の派生語です。“rely on~”で「~を頼る」と用います。“on”の後には、頼る対象となる名詞が続きます。一方、“reliable”に前置詞が続く場合は“in”が一番よく用いられます。“reliable in~”で、「~に(関して)信頼がおける」という意味です。文意に合わないのでNGです。

[例] The soccer player is reliable in defence.

そのサッカー選手は守りに定評がある(信頼がおける)。

(D) legitimate は「合法的な」という意味。legは「法」を意味します。“legitimate a child”(嫡出子とする)など、動詞として使われる場合もあります。反意語は“illegitimate”(違法の、非論理的な)です。文意に合わないのでNG。

【答え】
(C) versatile

TOEIC Part5 短文穴埋め問題 Vol.2-2

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