このシリーズではアメリカ人の英語教師が作成するTOEIC Part5 練習問題とその解き方や英文法を解説します。
TOEIC Part5 短文穴埋め問題 Vol.3-2
英文の空欄に該当する最も適切な単語やフレーズを(A)~(D)の選択肢から選んでください。
Question #6
Because of the decline in foot traffic at shopping malls, many retailers have to get more creative to keep sales growing, __________ is a huge challenge.
(A) it
(B) that
(C) as
(D) so
※問題の解答は下にあります↓
Q6の解説(関係代名詞の文法問題)
Because of the decline in foot traffic at shopping malls, many retailers have to get more creative to keep sales growing, as is a huge challenge.
ショッピングモールの歩行者の流れの減少のため、多くの小売業者は売上増加の維持に今以上に創造力を発揮しなければならないが、それは大きな課題です。
(A) it (B) that (C) as (D) so
英文の構成は次の通りです。Because of は原因・理由を表すイディオムで「~のために」の意味。
Because of ~ shopping malls, (副詞句)
many retailers ~ sales growing, (主節)
as is a huge challenge. (従位節)
foot traffic は「歩行者の流れ、人の行き来」の意味。 get creative はイディオムで「創造力を発揮する」の意味。
【解き方】
主節(many retailers ~)と従位節(~ is a huge challenge.)をつなぐには接続詞の機能を果たす単語を選ぶ必要があります。関係代名詞の as が正解です。
as には多くの用法がありますが、この文では関係代名詞です。as は which と同じように先行詞を含んだ主格として使い、「カンマ(,) + as」の形で先行する節を示します。
分かりやすく言うと as は主節の「創造力を発揮しなければならない」の内容を示し、その内容は huge challenge(大きな課題)だと補足的に説明を加えています。このような用法を「非制限用法」と呼びます。
【答え】
(C) as
【不正解の選択肢】
(A) it は接続詞の機能がないので不正解。it は先行する節を示す用法があるので“~ sales growing, and it is a huge challenge.”と書けば正しい表現。
(B) that は多義語で関係代名詞でもありますが「非制限用法」では使うことができません。代名詞の that は先行する節を示す用法があるので、“~ sales growing, and that is a huge challenge.”と書けば正しい表現です。
(D) so も多義語ですが関係代名詞では無いので不正解。副詞の so には先行する語・句・節の代わりとして代名詞のような用法がありますが、問題の空所では使えません。
副詞 so の代名詞のような用法の例を2つ上げてみます。
[例] He is a lawyer, and so is his wife.
彼は歴史の先生で、奥さんもそうだ。
※ so は lawyer の代名詞として機能している
[例] Memorizing words is important, but so is English listening.
単語を覚えることは重要ですが、英語を聞くことも重要です。
※ so は important の代名詞として機能している
Question #7
The Secretaries’ responsibility is to save all the receipts after buying office supplies for __________ of income tax.
(A) debit
(B) credit
(C) deduction
(D) accounting
※問題の解答は下にあります↓
Q7の解説(名詞の語彙問題)
The Secretaries’ responsibility is to save all the receipts after buying office supplies for deduction of income tax.
秘書の責務は所得税控除に備え、事務用品を購入した後にすべての領収書を保管することです。
(A) debit (B) credit (C) deduction (D) accounting
この英文は「主語 + is + to不定詞」の構文で、to不定詞の“to save”は名詞的用法で、第2文型(SVC)の補語として使われています。
名詞 responsibility は「(仕事に対する)責任、責務」の意味。名詞 supply は複数形の supplies で「必需品・補給品」の意味。
【解き方】
“to save all the receipts”(すべての領収書を保管する)の目的に該当する箇所が、前置詞句“for ~ income tax”です。不可算名詞の deduction は「控除」の意味で、“deduction of income tax”は「所得税控除」と訳し、領収書を保管する目的に合うので deduction が正解。
deduction は限定語句“of income tax”で修飾しているので、“the deduction ~” のように定冠詞が必要と思われるかもしれませんが、ここでの deduction は抽象名詞だから無冠詞です。
【答え】
(C) deduction
【不正解の選択肢】
(A) debit の名詞は「簿記の借方。預金の引出額(の合計)」の意味。debit の他動詞は「会計の借方に記入する/預金を引き出す」の意味。
英文の「領収書を保管する」という行為の目的が“for debit of income tax”だと、文意に合わないので不正解。
[例] Payment of corporate income tax needs to be placed as a debit in the company’s account.
法人所得税の支払いは、会社の会計帳簿の借方に記入しなければならない。
(B) credit の名詞は「銀行預金。信用貸し。借入。簿記の貸方」などの多くの意味を持ち、会計・金融でよく使われる英単語。
credit は「(税金などの)控除」の意味もありますが、この場合は“credit for income tax”(所得控除)と書きます。空所の後には “of income tax” が続くので credit は不正解。
[例] I have a credit of $1,000 in my bank account.
私は銀行口座に1,000ドルの預金がある。
(D) accounting は「会計、会計処理」の意味。“accounting for income tax”(所得税の会計処理 )と書くことができますが、空所の後には “of income tax” が続くので accounting は不正解。
[例] Jessy was an employee of the accounting department before she changed her job.
ジェシーは転職する前、経理部に所属していた。
Question #8
LoveSoftware, Inc. is exerting all efforts to __________ itself as a maker of intuitive software after its dismal offering last generation.
(A) accept
(B) redeem
(C) identify
(D) manifest
※問題の解答は下にあります↓
Q8の解説(動詞の語彙問題)
LoveSoftware, Inc. is exerting all efforts to redeem itself as a maker of intuitive software after its dismal offering last generation.
LoveSoftware社は、一つ前の型の商品が非常に低品質だったので、使い勝手の良いソフトウェアメーカーとしての名誉を回復するべく、あらゆる努力を尽くしている。
(A) accept (B) redeem (C) identify (D) manifest
exerting は 他動詞 exert の進行形で、exert は「(能力など)を発揮する。(影響力など)を行使する」の意味。exert all efforts は「あらゆる努力を尽くす」と訳します。
redeem は 他動詞で「(自分の失敗・欠点など)を補う、埋め合わせる」ですが、「redeem + itself/oneself」の形は「名誉を挽回(回復)する」の意味です。
intuitive は形容詞で、主な意味は「直感的な」。「アイデアなどを、論理的な思考でなく直感的に得る」のニュアンスです。この文では「(ソフトウェアなどが)直感的に使いやすい」という意味で使っています。
副詞句“after ~ generation”の after(前置詞)は「~の後で」と訳しても意味は通じますが、この after は「~だったので」という「理由」(because of, as a result of)を表しています。
“dismal offering”の dismal は「(成績・結果などが)悲惨な、みじめな、ぶざまな」などの意味の形容詞。dismal offering の和訳は「商品が非常に低品質」または「悲惨な商品」と訳しても良いです。
“last generation”は「前の世代(型)の」と訳し、generation は「(技術進歩・技術発展)の世代、型」の意味。
“last generation”は 「last+名詞」の副詞句を作っているように見えますが、“its dismal offering”は名詞だから副詞句では修飾できません。よってこの英文では“its dismal offering” と “last generation.”の間に“of the”や“that[which] is the”などが本来は入り、それが省略されいる形だと考えられます。
its dismal offering (of the) last generation
※of theは省略可能
its dismal offering (that is the) last generation
※that is theは省略可能
【解き方】
主節“LoveSoftware ~ intuitive software”の「結果(行動)」に対する「原因(理由)」は“after ~ generation.”です。前回の商品が非常に低品質だった場合、次にどのような行動をすべきかを考えると、「名誉を挽回(回復)する」という意味の動詞 redeem が最も相応しい言葉です。
「redeem + 目的語(itself/oneself)」の形を「再帰動詞」と呼びます。再帰動詞とは意味上の主語と、動詞の影響を受ける目的語が同一の場合の動詞の呼び方です。
次の例の establish、familiarize も、目的語を oneself にすると再帰動詞です。
[例] Jonathan established himself as a dentist.
ジョナサンは歯科医師としての地位を確立した。
※ establish oneself as (~としての地位を確立する)
[例] The new employees took some time to familiarize themselves with the instructions from their boss.
新人社員たちは上司からの指示をよく理解するために少し時間をとった。
※ familiarize oneself with (人に 〜 をよく理解させる)
【答え】
(B) redeem
【不正解の選択肢】
(A) accept の目的語が再帰代名詞で“accept oneself as”の形(再帰動詞)にすると「~であることを認める、~であることを受け入れる」の意味。文意に合わないので不正解。
[例] He accepted himself as being wizard.
彼は自分のことを魔法使いだと認めた。
[例] We should accept ourselves as we are.
私たちは、ありのままの自分たち自身を受け入れるべきです。
(C) identify の目的語が再帰代名詞で“identify oneself as”の形(再帰動詞)にすると「~と名乗る、~と自称する」の意味。文意に合わないので不正解。
[例] She identified herself as vegetarian.
彼女は菜食主義者と自称した。
次の例の represent も identify と同じように使えます。“represent oneself as”の形(再帰動詞)は「自分は~であると言う、~と自称する」の意味です。
[例] He represented himself as an attorney.
彼は自分を弁護士であると言った。
(D) manifest の目的語が再帰代名詞で“manifest oneself as”の形(再帰動詞)にすると「(病気などの兆候が)~として現れる」の意味です。
[例] The mysterious illness manifested itself as a high fever.
その謎の病気は、高熱となって現れた。
Question #9
The pair of scissors stored in my desk broke, so I asked my coworker who was near the supply closet to bring me a new __________.
(A) one
(B) pair
(C) mine
(D) scissor
※問題の解答は下にあります↓
Q9の解説(代名詞の文法問題)
The pair of scissors stored in my desk broke, so I asked my coworker who was near the office supply closet to bring me a new pair.
私の机に保管していたハサミが壊れたので、事務用品のクローゼットの近くにいた同僚に新しいハサミを持ってくるように頼んだ。
(A) one (B) pair (C) mine (D) scissor
“a pair of”は「(手袋などが)1組、(靴の)一足」「(ハサミ、眼鏡などが)一つ」の意味。2つの場合は“two pairs of”と書きます。
文では“The pair of ~”と書いていますが、“stored in my desk broke”で修飾し、ハサミを特定しているので The を使っています。
「ハサミが壊れた」が「原因」で、副詞節の“so I asked ~ new pair”が「結果」です。
【解き方】
文脈から空所には「ハサミ」を示す単語が入ることが分かります。前出の「pair of 物」の不特定を表す場合、且つ、それを代名詞で受ける場合は pair を使います。
【答え】
(B) pair
【不正解の選択肢】
(A) one は前出の「名詞/名詞句」の代わりとして(不特定の物に)使う代名詞です。ここでの one は「pair of 物」を受けることができないので不正解。
(C) mine は「私のもの」という意味の代名詞。同じスペルで「鉱山」の意味の mine もありますが、代名詞の mine へは冠詞を付けることができません。更に、形容詞の限定用法で mine を修飾できないので不正解です。
英文の背景を「事務用品のクローゼットに“自分のハサミ”が保管されて、それを同僚に持ってくるように頼んだ」と想定すれば、“a new”を削除し、“~ to bring me mine”と書くことも可能です。
(D) scissor は単数形で、複数形の「s」がありません。「ハサミ」を表すには必ず複数形にします。よって scissor は不正解。
アメリカ英語では a pair of scissors の代わりに a scissors 「(一つの)ハサミ」と表現することもあるようですが、イギリス英語では a scissors は受け入れられない傾向が強いです。
Question #10
The sales representatives for LoveHousing Corp. need to make their real estate licenses __________ displayed and visible to prospective buyers of residential houses while negotiating contracts.
(A) barely
(B) partially
(C) momentarily
(D) prominently
※問題の解答は下にあります↓
Q10の解説(副詞の語彙問題)
The sales representatives for LoveHousing Corp. need to make their real estate licenses prominently displayed and visible to prospective buyers of residential houses while negotiating contracts.
LoveHousing社の営業担当は契約交渉の間、不動産免許を目立つように掲示し、住宅購入の見込み客へ見えるようにする必要がある
(A) barely (B) partially (C) momentarily (D) prominently
英文の構造は「第3文型 + while 分詞構文」です。
主語(S): The sales representatives
動詞(V): need
不定詞(O): to make ~ residential houses
接続詞: while
分詞構文: negotiating contracts.
不定詞の make は使役動詞です。「make + 目的語(人・物・事) + 目的格補語(名詞・形容詞・過去分詞)」の語法で、「目的語を目的格補語にする」の意味です。
英文は「make + ~ licenses + displayed and visible」で、目的語が1つに対して、目的格補語が「displayed(過去分詞)」と「visible(形容詞)」の2つある形です。
“make real estate licenses visible to prospective buyers”は「make + 目的語 + 形容詞」の形です。直訳すると「real estate licenses(不動産免許)を prospective buyers(購入見込み客)へ見える状態にする」です。
while と negotiating contracts. の間に「 the sales representatives are 」又は「 they are 」があっても良さそうですが、この英文では省略されて「分詞構文」の形になっています。
【解き方】
選択肢はすべて副詞で、displayed (過去分詞)を修飾します。解答のポイントは文意を理解して「不動産免許をどのように表示させるか」を考えます。
正解は prominently で、意味は「目立つように、人目に付くように」です。prominently displayed で「目立つように表示される」と訳します。
【答え】
(D) prominently
【不正解の選択肢】
(A) barely は「辛うじて」の意味で、barely displayed だと「辛うじて表示される」で文意に合いません。
[例] He could barely stand and walk by himself because of his heavy airsickness.
彼はひどい飛行機酔いのため、自力で立って歩くのがやっとだった。
(B) partially は「部分的に」の意味で、partially displayed だと「部分的に表示される」だから文意に合いません。
[例] Our project was only partially successful, and there is a lot of room for improvement.
私たちのプロジェクトは限定的に成功したにすぎず、改善の余地は多い。
(C) momentarily は「一瞬の間」の意味で、momentarily displayed だと「一瞬の間だけ表示される」で、これも文意に合いません。
[例] Her mind went blank momentarily as she realized she had made serious mistakes.
重大なミスを犯したことに気づいて、彼女は少しの間頭が真っ白になった。