このシリーズでは英文法を例文を使って分かりやすく解説します。今回のテーマは「関係詞」です。
関係詞とは、名詞に対して何かを説明する文を結び付けるための接続詞のような役割を果たす言葉です。関係詞には「関係代名詞」と「関係副詞」の二つがあります。
関係代名詞が導く節を「関係代名詞節」、関係副詞が導く節を「関係副詞節」と呼びます。関係詞節(関係代名詞・関係副詞)が修飾する名詞を「先行詞」と呼びます。
関係代名詞
関係代名詞とは、先行詞(名詞)と、先行詞を説明する節(関係代名詞節)を結び付ける、接続詞の役割を果たす代名詞のことです。
先行詞とは、関係代名詞節で修飾される名詞のことです。
【1】下記の例文では、関係代名詞のthatを使い、先行詞(the book)が どんな本であるかを説明する関係代名詞節(that I bought yesterday)を結び付けています。
I read the book that I bought yesterday.
私は昨日買った本を読みました。
【2】下記の例文では、関係代名詞のwhoを使い、先行詞(a girl)がどのような女の子であったのかを説明する関係代名詞節(who was wearing the same dress as mine at the party)を結び付けています。
I met a girl who was wearing the same dress as mine at the party.
パーティーで私と同じドレスを着た女の子に会った。
【3】下記の例文ではwhoが関係代名詞で「who works in that store」が関係代名詞節です。
The man who works in that store is very kind.
その店で働いている男性はとても優しいです。
関係代名詞の種類
関係代名詞は、先行詞(関係代名詞節に修飾される名詞)が「人/動物・物」で使い分けます。
更に、関係代名詞の役割が「主格」の場合、「所有格」の場合、「目的格」の場合でも、関係代名詞を使い分けます。
【先行詞が人】
主格:who 所有格:whose 目的格:whom
【先行詞が動物・物】
主格:which 所有格:whose 目的格:which
【先行詞が人・動物・物】
主格:that 所有格:なし 目的格:that
関係代名詞の用法
関係代名詞の用法では、「主格」「所有格」「目的格」の関係代名詞と「関係代名詞のwhat」を解説します。
主格の関係代名詞
主格の関係代名詞には、who、which、thatがあります。whoは先行詞が人である場合、whichは先行詞が動物・物である場合に使います。
thatは人・動物・物のいずれの場合にも使うことができます。
【1】下記の例文では、関係代名詞のwhoを使い、先行詞(the boy)を説明する関係代名詞節(who went to school with me)を結び付けています。
先行詞の名詞(the boy)が、関係代名詞節の主語となるので、「主格」の関係代名詞(who)を使います。
He is the boy who went to school with me.
彼は私と一緒に学校に行った男の子です。
上記の例文を二つの英文に分けると、下記のようになります。
He is the boy.
彼は男の子だ。
The boy went to school with me.
その男の子は、私と一緒に学校に通った。
【2】下記の例文では、関係代名詞のthatを使い、先行詞(the movie)を説明する関係代名詞節(that was released yesterday)を結び付けています。
先行詞のthe movieは関係代名詞節の主語として機能しています。
Did you see the movie that was released yesterday?
昨日公開された映画を観た?
【3】下記の例文のように、主格の関係代名詞を使う場合は、関係代名詞の直後に動詞をおきます。
The man who wears glasses is Carl.
眼鏡をかけている男性はカールです。
I saw a cat that was sleeping on the wall.
塀の上で寝ている猫を見た。
所有格の関係代名詞
所有格の関係代名詞として使われるのはwhoseのみです。先行詞が人・物・動物の、いづれかの場合でもwhoseを使います。
【1】下記の例文では、関係代名詞のwhoseを使い、先行詞(a girl)を説明する関係代名詞節(whose parents are both singers)を結び付けています。
[1] I know a girl whose parents are both singers.
両親が二人とも歌手である女の子を知っている。
上記の例文[1]を二つに分けると、下記の英文[2][3]になります。英文[3]のHerは英文[2]の「a girl」を表す代名詞の所有格です。
[2] I know a girl.
私は女の子を知っている。
[3] Her parents are both singers.
彼女の両親は二人とも歌手だ。
上記の例文[1]では、先行詞(a girl)が、関係代名詞節の主語(parents)を所有している関係だから、所有格の関係代名詞を使います。
別の言い方をすると、関係代名詞節の主語(parents)に、先行詞(a girl)の所有格(Her)がついているので、所有格の関係代名詞を使います。
【2】下記の2つ例文でも、先行詞が関係代名詞節の主語を所有している関係だから、所有格の関係代名詞を使います。
Do you see the woman whose hair is bright pink?
明るいピンク色の髪をしたあの女性が見えますか?
I adopted a dog whose owner had died.
飼い主が亡くなった犬を引き取った。
目的格の関係代名詞
目的格の関係代名詞にはwhom、which、thatがあります。先行詞が人の場合はwhom、動物・物の場合はwhichを使います。thatは人・動物・物のいずれの場合にも使うことができます。
【1】下記の例文では、関係代名詞のwhomを使い、先行詞(the lady)を説明する関係代名詞節(whom we talked with in the train)を結び付けています。先行詞(the lady)が関係代名詞節の目的語となっているので、目的格の関係代名詞(whom)を使います。
[1]She is the lady whom we talked with in the train.
彼女は、私達が電車の中で話をした女性です。
上記の例文[1]を二つに分けると下記の英文[2][3]になります。英文[2]の「the lady」は英文[3]の目的語となっています。よって、英文[2]に英文[3]を結び付ける場合は、目的格の関係代名詞(whom)を使います。
[2] She is the lady.
彼女がその女性だ。
[3] We talked with the lady in the train.
私達はその女性と電車の中で話をした。
【2】下記の例文のように、関係代名詞が目的格として機能する場合、関係代名詞節は目的語が無い不完全な文になります。
Did you bring the assignment that you did yesterday?
昨日やった課題を持ってきた?
This is the dog that she adores.
これは彼女が溺愛している犬です。
関係代名詞のwhat
疑問文で使われることの多いwhatは、関係代名詞としても使うことができます。上記で説明した関係代名詞とは異なり、関係代名詞のwhatは「(~する)こと」、「(~する)もの」などの意味を持っています。大きな特徴は、関係代名詞のwhatは先行詞を含んでいることです。(先行詞が必要ありません。)
[1] What I need now is a cup of strong coffee.
私に今必要なのは濃いコーヒー1杯だ。
[2] Please tell me what happened to him.
彼に何が起こったのか教えてください。
上記の例文[1][2]で使っているwhatは、どちらも関係代名詞で、「先行詞」と「関係代名詞」の両方の機能を果たしています。
また関係代名詞のwhatは主格としても目的格としても使うことができます。例文[1]のwhatは主格、例文[2]のwhatは目的格です。
whichよりも「that」を用いる場合
下記の例文のように先行詞が特殊な修飾語によって限定されている場合や、先行詞が「人+事物」の場合には、whichではなくthatを用いる傾向があります。
1. 先行詞に最上級の形容詞がついているとき:
This is the biggest flower that I have ever seen.
これは私が見たことのある最大の花です。
2. 先行詞に序数詞やthe same, the only, the veryなどがついている場合:
This is the first time that I have seen an elephant.
私がゾウを見たのはこれが初めてです。
I have the same toy that you have.
私はあなたと同じおもちゃを持っています。
Man is the only animal that can speak.
人間は話すことができる唯一の動物です。
This is the very dress that I have long wanted.
これは私がずっと欲しかったまさにその服です。
3. 先行詞にall, every, anything, nothingがついている場合:
This is all the money that I have.
これが私が持っているすべてのお金です。
He checked every suitcase that had his name on.
彼は彼の名前の書かれたすべてのスーツケースを確認しました。
She didn’t have anything that can harm people.
彼女は人に危害を与えるようなものは何も持っていませんでした。
There was nothing that I can speak to the police.
私は警察に話すことは何もありませんでした。
4. 先行詞が「人+事物」からなる場合:
I saw a woman and a dog that were playing in the water.
私は水遊びをしている女性と犬を見ました。
擬似関係代名詞
擬似関係代名詞とは、本来は接続詞であるas、than、butが関係代名詞のような働きをした時の呼び名です。関係代名詞のような働きとは、前にある名詞または節全体を修飾する働きです。この時as/than/butの後の節は、先行詞と同義の語が欠けた不完全文でなければいけません。
擬似関係代名詞のasは、関係代名詞と同様、限定用法と非限定用法の2種類があります。限定用法は、as…as~(原級比較)、such [so] … as~、the same (A) as~など慣用表現が中心です。非制限用法はカンマで区切り前の先行詞(節)を修飾する形です。
as 限定用法
【1】下記の例文では、原級比較のas…as~を使い、many peopleを修飾しています。
There were as many people at the event as I had expected.
私が予想していた数の人がそのイベントに来ていた。
【2】下記の例文では、such…as~を使い、an easy testを修飾しています。suchはsuch + (冠詞)名詞、soはso + 形容詞 +(冠詞)名詞という形で使います。
That was such an easy test as I could finish in 15 minutes.
それはとても簡単なテストだったので15分で解き終わった。
【2-2】上記の例文で「such…as~」の代わりに「so…as~」を使うと下記のようになります。
That was so easy a test as I could finish in 15 minutes.
それはとても簡単なテストだったので15分で解き終わった。
【3】下記の例文では、the same…as~を使い、the same type of moviesを修飾しています。the same (A) as + 名詞 の用法もありますが、今回のようにas + 節になっている場合は、asを擬似関係代名詞と考えます。
He likes the same type of movies as I like.
彼は私が好きなのと同じ種類の映画が好きだ。
She has the same smartphone as I have.
彼女は私と同じスマートフォンを持っています。
【4】下記の例文は、as 限定用法の特殊な慣用表現です。先行詞details~conferenceをas followsが修飾しているのですが、as follows単体でbe動詞の補語または副詞のように使うことができます。また先行詞の単数/複数に関わらず常にas followsの形で使います。
Details for the today’s conference are as follows.
今日の会議の詳細は以下になります。
as 非限定用法
as非制限用法には、関係代名詞の非限定用法と同様、先行詞(節)に対しての「追加・補足の記述」というニュアンスがあります。
慣用表現以外は関係代名詞whichの方がよく用いられます。
【1】下記の例文では、catch a coldをas以下が修飾しています。この文でasの代わりにwhichを使うこともできますが、as was expectedという言い方はよくあるのでasでも自然です。
He caught a cold, as was expected.
彼、予想した通り、風邪ひいたね。
【1-2】as + S Vという形も可能です。as I did~という言い方もよくあります。as~は追加・補足情報なので、会話ではasの前で間を入れると自然です。
Don’t be late tomorrow, as I did last week.
明日遅刻するなよ。私は先週したけど。
【2】下記の例文では、主節「I’m~today」を「As I said」が修飾しています。
As I said, I’m not going anywhere today.
言った通り、今日はどこにも行かないよ。
上記の例文で使われている『as + S + said [have said / told / explained / mentioned]』は慣用表現で、文頭/文末で主に使います。
またasの中を受動態にした『as + was + mentioned [explained / agreed / expected]』もよく使われます。
■NOTE:sayとtellは無生物を主語にした受動態が作れないため「as + was + p.p.」の形では用いません。
【3】下記の例文では、主節He…againをas以下が修飾しています。このasは関係代名詞の非制限用法whichと同様の働きをしています。
He received A on a test again, as is always the case with him.
彼はまたテストでAを貰ったが、彼にとってはいつものことだ。
※『as is often [always] the case with ~』は慣用表現で主に文頭/文末で使います
As is usual with him, he forgot to bring his glasses to work.
彼にはいつものことですが、職場に眼鏡を持ってくるのを忘れました。
than
比較構文「比較級 + than」でthan以下が節(不完全文)になる場合、thanを擬似関係代名詞と呼びます。
【1】下記の例文では、more shooting starsをthan以下が修飾しています。thanの後が節になる場合、関係詞節と同様に不完全文になります。
今回の場合ではthan we expected it ではなく、than we expect が正しい形です。
We saw more shooting stars than we expected.
私たちは予想していたより多くの流れ星が見られた。
※「than we expected」の節は、「than+名詞」を用いて「than our expectation(私たちの予想よりも)」と置き換えることができます。
複合関係代名詞
複合関係代名詞とは、関係代名詞のwho、which、whatに「ever」がついたものです。
上記で説明したwhatのように、先行詞と関係代名詞の両方の役割を果たします。
複合関係代名詞は、「名詞節」を導く場合と、「譲歩を表す副詞節」を導く場合があります。
複合関係代名詞 | 名詞的用法 | 副詞的用法 |
---|---|---|
whoever | ~する人は誰でも | 誰が~しようとも |
whatever | ~するものは何でも | 何が~しようとも |
whichever | ~するものはどちらも | どちらが~しようとも |
whichever | ~するものはどれも | どれが~しようとも |
名詞節を導く用法
名詞節を導く用法の複合関係代名詞には、whoever(~する人はだれでも)、whichever(~するものはどれでも)、whatever(~するものは何でも)の3種類あります。
下記の例文は、複合関係代名詞を使って名詞節を作っています。複合関係代名詞は三人称単数形であるため、whoeverの後に置く動詞は三人称単数形にする必要があります。
Whoever wants to join is welcome.
参加したい人は誰でも歓迎だ。
Please take whichever you like.
好きな物をどれでも取ってください。
You can do whatever you like.
好きなことを何でもしていいですよ。
副詞節(譲歩)を導く用法
名詞節を導く用法の複合関係代名詞には、whoever(だれが~しようとも)、whichever(どちらを~しようとも)、whatever(何が~しようとも)の3種類あります。
下記の例文は、複合関係代名詞を使って、譲歩を表す副詞句を作っています。複合関係詞が導く節の動詞は、複合関係代名詞に合わせて三人称単数形にします。
Whoever comes, don’t open the door.
誰が来てもドアを開けないでください。
Whichever you choose, you will like it.
どちらを選んでも、あなたは気に入るでしょう。
Whatever happens, keep your positive attitude.
何が起こっても、前向きでいなさい。
関係副詞
関係副詞とは、先行詞(修飾される名詞)と、先行詞を修飾する形容詞節を結び付ける、接続詞の役割を果たす副詞のことです。
ここで注意点ですが、関係副詞が導く節は形容詞節として機能します。先行詞の名詞を修飾するから形容詞節です。
関係副詞の種類
関係副詞は4種類あり、先行詞によって使い分けます。
where(場所)、when(時)、why(理由)、how(方法)
下記の例文のように、関係副詞が導く節は「完全な文」になります。
【関係副詞】
This is the university where I graduated in 2015.
これが2015年に私が卒業した大学です。
※where以下の節だけ見た場合、“I graduated in 2015.”で完全な文。
【関係代名詞】
I read the book which I bought yesterday.
私は昨日買った本を読んだ。
※that以下の節だけ見た場合、 動詞boughtの目的語が抜けた不完全な文。
関係代名詞 which には、格(主格・所有格・目的格)がありますが、関係副詞に格はありません。
場所を修飾する関係副詞 where
先行詞が場所の場合は、関係副詞の where を使います。
下記の例文では、関係副詞のwhereを使い、先行詞(the town)を修飾する形容詞節(where he lives)を結び付けています。
[1] This is the town where he lives.
これは彼が住んでいる町です。
上記の例文[1]を二つに分けると、下記の例文[2][3]になります。
[2] This is the town.(これはその町です)
[3] He lives there.(彼はそこに住んでいます)
上記の例文[3]の there は副詞です。この there を where に置き換え、更に where を the town の後ろに移動した形が例文[1]です。関係副詞(where)は、先行詞(the town)を修飾する形容詞節を導く役割を果たしています。
時を修飾する関係副詞 when
先行詞が時を表す表現である場合は、関係副詞のwhenを使います。
下記の例文では、関係副詞はwhenを使い、先行詞(the time)を修飾する形容詞節(when we first met)を結び付けています。
[1] I remember the time when we first met.
私達が初めて会った時のことを覚えています。
上記の例文[1]を二つに分けると、下記の例文[2][3]になります。
[2] I remember the time.
私はその時を覚えている。
[3] We first met then.
私達はその時初めて会った。
上記の例文[3]の then は副詞です。この then を when に置き換え、更に when を the time の後ろに移動した形が例文[1]です。関係副詞(when)は、先行詞(the time)を修飾する形容詞節を導く役割を果たしています。
理由を修飾する関係副詞 why
関係副詞の why の先行詞となるのは reason(理由)のみです。
【1】下記の例文では、関係副詞は why を使い、先行詞(the reason)を修飾する形容詞節(why she did not come)を結び付けています。
[1] Do you know the reason why she did not come?
彼女が来なかった理由を知っていますか?
上記の例文[1]を二つに分けると、下記の例文[2][3]になります。
[2] Do you know the reason?
あなたは理由を知っていますか?
[3] She did not come for the reason.
彼女はその理由のために来なかった。
上記の例文[3]の for the reason は動詞の否定形 did not come を修飾する副詞句です。この for the reason を why に置き換え、更に why を the reason の後ろに移動した形が例文[1]です。関係副詞(why)は、先行詞(the reason)を修飾する形容詞節を導く役割を果たしています。
【2】下記の例文のように、why または the reason のどちらかを省略して使うことも可能です。
Do you know why she did not come?
Do you know the reason she did not come?
彼女が来なかった理由を知っていますか?
【3】下記の例文のように、why を for which に置き換えることも可能ですが、硬い文語的な表現であるため、現在はあまり使われていません。
[1] I don’t know the reason why Alice quit the company.
アリスが会社を辞めた理由は分かりません。
[2] I don’t know the reason for which Alice quit the company.
※例1の why を for which に置き換えても文意は同じです。
方法を表す関係副詞 how
howには「~する方法」という意味が含まれているため、先行詞は必要ありません。
This is how I learned to swim.
このようにして私は泳ぎ方を覚えました。
That’s how he made his fortune.
そのようにして、彼は財産を築いた。
下記の例文のように、関係副詞のhowは、「方法」を意味する「the way」、又は「the way in which」で置き換えることができます。
This is the way I learned tennis.
This is the way in which I learned tennis.
私はこうしてテニスを学びました。
【NOTE】the wayを先行詞としてhowを使うということはありません。
非制限用法
関係代名詞と関係副詞には、「制限用法」と「非制限用法」があります。制限用法では、先行詞を限定して説明を加えます。非制限用法では、先行詞に、「軽い補足」として説明を加えます。
非制限用法 関係代名詞
非制限用法で使える関係代名詞はwhoとwhichです。
whoを使った非制限用法:
【1】下記の例文[1]は関係代名詞whoの制限用法、例文[2]は非制限用法です。例文[1][2]の文法上の違いは、sonの後にコンマがある、コンマがないかです。しかし意味は大きく違ってきます。
[1] She has a son who lives in Tokyo.
[2] She has a son, who lives in Tokyo.
例文[1]の関係代名詞の制限用法には、先行詞である名詞を特定する、言い換えると、複数いる人(または物)の中の「これ」と限定する働きがあります。よって例文[1]には、「彼女には複数息子がいるが、その中で東京に住んでいる息子が一人いる」という意味が含まれています。
例文[2]の関係代名詞の非制限用法には、先行詞である名詞に「軽い補足」の説明を加える働きをします。非制限用法を使う場合は、先行詞である名詞(a son)を、「だれ」であるのかを特定する必要がない、つまり1人しかいない場合です。よって、コンマありの例文[2]には、「彼女には息子が一人いて、その息子は東京に住んでいる」という意味があります。
【2】下記の例文のように、非制限用法の関係代名詞は、文の最後、又は、文の途中に挿入して使います。
John went out to see Ellen, who we met last summer.
ジョンは、私達が去年の夏に会ったエレンという子に会うために出かけた。
直訳:ジョンはエレンに会うために出かけたが、その子は私達が去年の夏に会った子だ。
Kate, who is only 3, always tries to help her mom.
ケイトはまだ三歳だが、いつも母親のお手伝いをしようとする。
直訳:ケイト、彼女はまだ3歳だが、いつも母親のお手伝いをしようとする。
whichを使った非制限用法:
She casually uses the bag, which is way more expensive than my laptop.
彼女は私のノートパソコンよりもはるかに高い鞄を、何でもないように使っている。
I am working at Café Spring, which is near the station.
私は駅の近くのカフェ・スプリングで働いています。
直訳:私はカフェ・スプリングで働いているが、それは駅の近くにある。
Kyoto, which I love, is beautiful in all seasons.
私が愛する京都は、どの季節も美しい。
直訳:京都、それは私が愛する地だが、どの季節も美しい。
【3】下記の例文のように、whichを使った非制限用法の場合、直前の名詞ではなく、直前の節が先行詞となることがあります。
先行詞は、whichの直前にあるeveryoneではなく、「My boss blamed me for my mistake in front of everyone」の節です。
My boss blamed me for my mistake in front of everyone, which upset me a lot.
上司に皆の前で誤りを非難されて、私は平静ではいられなかった。
非制限用法 関係副詞
非制限用法で使える関係副詞はwhereとwhenです。
You can find a shop, where the coffee is sold.
あなたはコーヒーを売っているお店を見つけることができます。
Do you know the time, when the train leaves.
電車が出発する時間を知っていますか?