このシリーズでは、英文法を例文を使って分かりやすく解説します。今回のテーマは「品詞」です。
品詞とは、英文の中での役割や性質によって分類した、単語のグループのことです。英語の品詞は8種類あります。
品詞の種類
名詞
もの、事、人などを表す言葉を名詞といいます。英語の名詞を分類する一つの方法として、可算名詞(数えられる名詞)か不可算名詞(数えられない名詞)かで分けることができます。
例えば、「リンゴ」(apple)は1つ、2つと数えられるので可算名詞、「幸福」(happiness)は形のない、概念的なものなので不可算名詞です。ただし、状況や文脈によって、ある名詞が可算名詞になったり不可算名詞になったりする場合があるので注意が必要です。
名詞を数えられるか数えられないかではなく、意味によって区別すると、「普通名詞」、「固有名詞」、「抽象名詞」などいくつかの種類に分けることができます。例えば、「普通名詞」は目に見える、形のある「物」を表します。
※「名詞」の詳しい解説は以下のページをご覧ください。
動詞
日本語の動詞は「活用する語で終止形が『ウ段』で終わるもの」と定義されます(ある、話す、食べるetc.)。
英語の動詞は「動作動詞」や「状態動詞」など、いろいろな種類がありますが、英語の文型の観点から考えると、動詞を「自動詞」か「他動詞」かで分類することが重要です。
「自動詞」とは、自分以外の対象(目的語)を必要としない動詞です。文型で例えると「1文型」「2文型」で使われる動詞です。「他動詞」では、動詞の直後に「目的語」を必要とします。文型で例えると「3文型」「4文型」「5文型」で使われる動詞です。
※「文型」と「動詞」の詳しい解説は、以下のページをご覧ください。
形容詞
英語の形容詞は日本語と同様に、名詞を修飾する働きがあります。形容詞には以下の2つの用法があります。
【制限用法】
「a big dog」(大きな犬)、「a kind person」(親切な人)のように、名詞の前に用いられる用法を「制限用法」と呼びます。
【叙述用法】
「This dog is big.」(この犬は大きい)、「He is kind.」(彼は親切だ)のように、主語である名詞を説明する用法を「叙述用法」と呼びます。
※「形容詞」の詳しい解説は以下のページをご覧ください。
副詞
副詞とは、動詞・形容詞・副詞、更に文全体を修飾する品詞です。
副詞の4つの働き:
[1] 形容詞を修飾する
very big (とても大きい)
incredibly beautiful (信じられないほど美しい)
[2] 動詞を修飾する
sometimes watch TV (時々テレビを観る)
get up early (早く起きる)
[3] 副詞を修飾する
quite well (かなり上手に)
extremely quickly (極めて速く)
[4] 文全体を修飾する
Probably, he missed the train.
おそらく、彼は電車に乗り遅れただろう。
Surprisingly, he made it by himself.
驚いたことに、彼は自力でそれを作った。
※「副詞」の詳しい解説は以下のページをご覧ください。
前置詞
前置詞とは、その名前の通り「前に置く」言葉で、必ず名詞または代名詞の前に置きます。前置詞を置くことで、空間の位置・方向・時などのイメージを、名詞に持たせることができます。
以下の例文の前置詞(on、in)は、位置(場所)を表す働きをしています。
on the table (そのテーブルの上)
in the bag (そのバッグの中)
※「前置詞」の詳しい解説は以下のページをご覧ください。
接続詞
接続詞とは、語と語、句と句、節と節を、結び付ける(接続する)品詞です。英語の接続詞は、等位接続詞と従属接続詞の2種類に分けられます。
等位接続詞
等位接続詞とは、語と語、句と句、節と節など、同種で等位関係にある2つのものを接続します。
主な接続詞として、and(~と、そして)、or(~か、または)、but(しかし、~以外)、so(なので)などがあります。
apples and pears (リンゴと梨)
I like reading books, so go to the library every day.
私は読書が好きなので、毎日図書館に行く
従属接続詞
従属接続詞には、「副詞節を導く接続詞」と「名詞節を導く接続詞」の2種類あります。
主節に対して、別の節を結び付ける働きがあります。言いえると、述語が2つ以上存在する複文を作ります。
副詞節を導く接続詞:
when(~時)、because(なぜなら~、~なので)、if(もし~)、though(~だけれども)などがあります。
I am going to study in England because I want to improve my English.
英語を上達させたいのでイギリスに行くつもりです。
上記の文において、because以下が副詞節です。また、この文はstudyとwant 2つの述語を含む複文になっています。
名詞節を導く接続詞:
名詞節を導く代表的な従属接続詞は、thatです。
He told me that he would come to the party
彼は私にパーティーに来るつもりだと言った。
上記の例文では、thatが「~ということ」という名詞節を導いています。更に、that節(that + 名詞節)がtoldの目的語になっています。
※「接続詞」の詳しい解説は以下のページをご覧ください。
代名詞
「代名詞」とは簡単にいうと「名詞の代わりをする語」です。英語では日本語よりも代名詞を使う頻度が多く、すでに述べられた名詞は代名詞を用いて表されることが一般的です。
例えば、I bought a book yesterday, and it was very interesting. 「私は昨日、本を買った。そして、それはとても面白かった」のように、it(それ)は前述のa book(本)を指しています。代名詞の種類には、「人称代名詞」、「指示代名詞」、「関係代名詞」などがありその用法もさまざまです。
※「代名詞」の詳しい解説は以下のページをご覧ください。
間投詞
間投詞とは、驚き、喜び、怒りなどの感情を表す品詞です。
ah(ああ)、oh(おお、おや、まあ)、wow(わあ)、Ouch!(痛っ)Ugh(げえっ、うわあ)などがあります。
助動詞・冠詞
「助動詞」と「冠詞」は「~詞」という名前が付いていますが、上記の8品詞には含まれていません。
「助動詞」は動詞の仲間で、「冠詞」は形容詞の仲間です。
助動詞
助動詞とは、動詞の前に置かれ、動詞に対して「可能性」「許可」「義務」などの「人の考え」を付加するための単語です。動詞の仲間です。
例えば、「I swim.」(私は泳ぐ)という文のswim(泳ぐ)という動詞の前に、can(可能の意味を表す助動詞)を付けると、「I can swim.」(私は泳ぐことができる)という意味になります。
基本的に助動詞は動詞とつなげて使い、助動詞の直後の動詞は必ず原形になります。
※「助動詞」の詳しい解説は以下のページをご覧ください。
冠詞
冠詞とは、単数形の加算名詞の前に置き、その名詞が特定のものか、不特定のものかなどの情報を表す働きをする単語です。形容詞の仲間です。
日本語で「ある女の人」と言った場合と、「その女の人」と言った場合とでは、名詞の「女の人」の対象は違ってきます。
その「女の人」を知らない場合は「ある」という表現を使い、知っている場合は「その」という表現を使います。英語では「冠詞」がその役割を果たします。
ある女の人 → a woman
その女の人 → the woman
上記の例文のaは不定冠詞、theは定冠詞と呼ばれます。冠詞と名詞には非常に強い結びつきがあるので、冠詞を知れば名詞への理解が深まり、英文の正確な理解につながります。
※「冠詞」の詳しい解説は以下のページをご覧ください。