このシリーズでは、英文法を例文を使って分かりやすく解説します。今回のテーマは「句と節・文の種類」です。
句とは、1つの品詞のように働く、2語以上の単語の塊のことです。節とは、文の一部を構成する、主語と述語を含んだ、2語以上の単語の塊のことです。
文の種類には「平叙文」「否定文」「疑問文」「命令文」「感嘆文」があります。
句と節
英文を読む際、単語ごとの意味を考えたりせずに、2単語以上の塊ごとに意味を理解します。
例えば「a lot of people in the park」という英文では、「a lot of people」と「in the park」の意味のある塊ごとに理解します。
この意味のある単語の塊を「句」と呼びます。
句
句とは、主語と述語動詞を含まない、2語以上の「語」から成るフレーズのことです。
語とは、それ以上分割できない単語のことです。語は文の構成要素の最小の単位です。
at the park (公園で)
a lot of books (たくさんの本)
句は文中での役割により、「名詞句」「形容詞句」「副詞句」に分けることができます。
名詞句
名詞句には以下の3種類あります。名詞句は名詞として機能するので、主語・目的語・補語として用いることができます。
名詞の前に冠詞や形容詞を付けた名詞句:
a pen (1本のペン)
different kinds of books (異なった種類の本)
five angry old men (5人の怒った老人)
a spicy curry (辛いカレー)
動名詞を用いた名詞句:
Seeing the pyramids is my dream.
ピラミッドを見ることが私の夢です。
※名詞句は「Seeing the pyramids」
to不定詞を用いた名詞句:
To see the pyramids is my dream.
ピラミッドを見ることが私の夢です。
※名詞句は「To see the pyramids」
形容詞句
形容詞句には以下の3種類あります。形容詞句は名詞や代名詞を修飾し、また補語としても使えます。
前置詞を用いた形容詞句:
以下の例文の「with a good heart」は、形容詞として「sister」を修飾している。
I have a sister with a good heart.
私には心の優しい姉がいる。
以下の例文の「in the garden」は、形容詞として「dog」を修飾している。
The dog in the garden is barking.
庭内の犬は吠えています。
to不定詞を用いた形容詞句:
以下の例文の「to change the world」は、形容詞として「power」を修飾している。
He has the power to change the world.
彼には世界を変える力があります。
分詞を用いた形容詞句:
以下の例文の「baked by my mother」は、形容詞として「cake」を修飾している。
This is a cake baked by my mother.
これは母が焼かれたケーキです。
副詞句
副詞句には以下の3種類あります。副詞句は動詞・形容詞・副詞を修飾する。
前置詞を用いた副詞句:
以下の例文の「on the bench」は、副詞句として「slept」を修飾している。
I slept on the bench.
私はベンチで寝た。
to不定詞を用いた副詞句:
以下の例文の「to accomplish her goal」は、副詞句として「happy」を修飾している。
She was happy to accomplish her goal.
彼女は自分の目標を達成できて嬉しかった。
分詞を用いた副詞句:
Being tired, I went to bed earlier.
疲れていたので早めに寝た。
節
節とは、文の一部を構成する、主語と述語動詞を含んだ、2語以上の単語の塊のことです。
節と句の違いは、節は「主語+動詞」の形を必ず含んでいます。
節は「名詞節」「形容詞節」「副詞節」の3種類に分けることができます。
名詞節
名詞節とは、名詞として機能する節です。名詞節は、文の主語・目的語・補語、また同格節になります。
I think that she doesn’t like traveling.
彼女は旅行が好きではないと思います。
※「that she doesn’t like traveling」が名詞節
形容詞節
形容詞節とは、形容詞として機能する節です。形容詞節は、名詞や代名詞を修飾します。
The movie that you recommended was great.
あなたが勧めた映画は最高でした。
※「that you recommended」が形容詞節で、「movie」を修飾している
副詞節
副詞節とは、副詞として機能する節です。副詞節は、名詞以外の語句や文を修飾します。
副詞節は、時、場所、条件、譲歩、原因、理由などを表します。
以下の例文の副詞節(before you make a decision)は「~する前に」という時を表し、主節(You should think carefully)を修飾しています。
You should think carefully before you make a decision.
あなたは決断する前に、慎重に考えるべきです。
主節と副詞節を結び付ける接続詞を「従位接続詞」と呼びます。
「従位接続詞」の詳細は、以下のページをご覧ください。
文の種類
英語の文の種類には、平叙文、否定文、疑問文、命令文、感嘆文などがあります。
英語で何か質問したい時、何か否定したい時など、伝えたい内容によって文の種類を使い分けます。
文とは、大文字で始まりピリオドや疑問符などで終わる主語(S)と述語動詞(V)を含んだ語の集まりのことを言います。
平叙文
平叙文とは、ピリオドで終わり、主に「~する」「~である」という意味の文。
I eat sandwiches every morning.
私は毎朝サンドウィッチを食べる。
He was a history teacher ten years ago.
彼は10年前歴史の先生だった。
否定文
否定文とは、ピリオドで終わり、「~しない」「~でない」という意味の文。
I don’t eat sandwiches on weekends.
私は週末はサンドウィッチを食べない。
He is not a history teacher now.
彼は現在、歴史の先生ではない。
疑問文
疑問文とは、疑問符(?)で終わり、何かを尋ねたり、依頼したりする文。
Are you hungry?
お腹が空いていますか。
Can I ask you a question?
質問してもいいですか。
命令文
命令文とは、動詞の原形(禁止を表す場合はDon’t)で始まり、命令や禁止をする文。
Look at the picture.
その絵を見なさい。
Be quiet, please.
静かにしてください。
Don’t open the window.
窓を開けないで。
感嘆文
感嘆文とは、HowやWhatで始まり、感嘆符(!)で終わる文。驚きや感動などを表す。
How tall that tower is!
なんて高い塔なんでしょう。
What a beautiful castle this is!
なんて美しい城だろう。
単文・重文・複文
英文の構造の違いから、「単文」「重文」「複文」の3つに分けることができます。
単文
単文とは、S + Vが1組だけの文。
Whales are not fish.
クジラは魚ではない
重文
重文とは、S + Vが2組以上あり、andやbutなどの等位接続詞で結ばれている文。
I graduated from college and I work for an insurance company.
私は大学を卒業して、保険会社に勤めている。
複文
複文とは、2組以上のS + Vが、従属接続詞や関係詞などによって結ばれている文。主節と従属節に分けられる。
I used to live in the countryside when I was a child.
私は子供の頃、田舎に住んでいた。
※「when I was a child」が従属節
He looked for a place where he could take a rest.
彼は休憩できる場所を探した。
※「where he could take a rest」が従属節