このシリーズでは、英文法を例文を使って分かりやすく解説します。今回のテーマは「動詞」です。
動詞とは、人や物の「動作・状態」などを表す品詞です。動詞には「自動詞」と「他動詞」の2種類あります。
また動詞の変化形(現在形や過去形など)を使い分けることで「時制」を表現することができます。
動詞の種類
動詞は目的語が要る・要らないの違いで、「自動詞」と「他動詞」の2つに分けることができます。
更に、動詞の表現の違いから、「動作動詞」と「状態動詞」の2つに分けることができます。
自動詞・他動詞
動詞は自動詞と他動詞に分けることができます。目的語が要らない動詞を「自動詞」と呼び、目的語が必要な動詞を「他動詞」と呼びます。
自動詞は第1文型(SV)で使う動詞で、他動詞は第3文型(SVO)で使う動詞です。
【自動詞用法 | 第1文型】
I walk.
私は歩く。
【他動詞用法 | 第3文型】
I walk my dog.
私は犬を散歩させる。
※「my dog」が目的語
【自動詞用法 | 第1文型】
The door opened naturally.
ドアが自然と開いた。
【他動詞用法 | 第3文型】
I opened the door.
私はドアを開けた。
※「the door」が目的語
動作動詞・状態動詞
動詞の表現の違いから、「動作動詞」と「状態動詞」の2つに分けることができます。
動作動詞とは、「歩く」(walk)や「食べる」(eat)のように、動作を表現する動詞です。動作に始まりと終わりがあります。また「進行形」を作ることができます。
状態動詞とは、「~である」(be動詞)や「知っている」(know)のようにある状態が継続していること表す動詞です。「進行形」を作ることができません。
【動作動詞 | 進行形〇】
I am watching TV now.
私は今テレビを見ている。
【動作動詞 | 進行形〇】
I know Tom.
私はトムを知っている。
【状態動詞 | 進行形は作れない×】
I’m knowing Tom now.
私はトムを今知っているところだ。
以下の2つの例文では、haveの動詞を使っています。haveには動作動詞の「食べる」と、状態動詞の「持っている」の意味があります。
動作動詞として使えば進行形にできますが、状態動詞として使えば進行形にはできません。
I’m having breakfast.
※haveは動作動詞の「食べる」
I have a sister.
※haveは状態動詞の「持っている」
再帰動詞
再帰動詞とは、自身のことを説明する時に使われる動詞のことです。自身のことを説明するというのは、英語で言うと再帰代名詞(oneself)を用いた表現を指します。また、主語と目的語に当たる動作を行う対象が同一の場合にのみ用いられた動詞のことを再帰動詞と呼びます。
以下の例文ように洗う(wash)動作を行う主語と目的語が同一の場合に用いられた動詞を再帰動詞と呼びます。また主語と目的語が同一の場合、動作を行う対象者が明確なため再帰代名詞の(oneself)は省略される場合がほとんどです。
I wash my face.
私は顔を洗います。
Please wash your hands when you get home.
帰宅したら手を洗ってください。
以下の例文では先に再帰動詞の例文で使用した動詞(wash)を使用していますが、ここで使用されている動詞(wash)は再帰動詞ではないので注意してください。なぜなら、主語(I)と目的語である(my dog)は同一ではないためです。つまり、文に用いられた動詞が再帰動詞か判断するにはまず主語と目的語を判断することが重要となります。
I wash my dog.
私は犬を洗う。
再帰動詞と再帰代名詞を用いた表現
主語と目的語が同一であり対象者が行う動作が明確であっても、以下の例文のような場合には再帰代名詞(oneself)を必ず用いて表現します。
Please, introduce yourself.
自己紹介をお願いします。
以下の例文は、他の方のお宅にお邪魔した際によく耳にするフレーズのうちの1つです。
Please, help yourself.
ご自由にお召し上がりください/遠慮なさらずにお取りください。
使役動詞
使役動詞とは、「~してもらう」「~させる」という許可すること、させること、してもらうことを表現したい時に用いられる動詞のことを指します。使役動詞と呼ばれる動詞は、主に(have)(make) (let)(get)があります。
また使役動詞は許可をする側と許可される側の関係性によって用いる動詞が異なってきます。
使役動詞(have)を用いた表現
使役動詞(have)は、主語が目的語に当たる対象に物事をさせる場合に用いられます。ただし、物事を強制させるといった強い意味合いはありません。むしろ当然のことをお願いするといった場合にこの使役動詞が使われます。
I will have the kids wash the dishes after meals every time.
私は毎食事後、子供たちにお皿を洗わせます。
I will not have the kids go out at night.
私は子供たちに夜の外出を控えさせます。
使役動詞(make)を用いた表現
使役動詞(make)は、使役動詞(have)を使用した時よりも物事を強制させたい場合に用いられます。
この場合、目的語に当たる対象者はその動作を望まない場合が多いです。
My mother makes me study hard all day.
母は私に一日中一生懸命勉強をさせます。
My mother doesn’t make me study hard this week, because I finished off my all homework last week.
母は今週、私に一生懸命に勉強をさせようとはしません。なぜなら私は先週のうちに全ての宿題を終えていたからです。
使役動詞(let)を用いた表現
使役動詞(let)は、主語が相手「目的語」が望むことに対して許可を与える場合に用いられます。
My boss lets me have a long holiday.
上司は私に長期休暇を取ることを許可します。
My boss doesn’t let me have a long holiday.
上司は私に長期休暇を取ることを許可しません。
使役動詞(get)を用いた表現
使役動詞(get)は、他の使役動詞(have)(make) (let)のような強いニュアンスではなく、むしろ物事をお願いするといった場合に用いられます。そしてもう1つの相違点としては、(get)の後ろにはto不定詞を使用するということが挙げられます。
I will get my friend to help my homework.
私は友達から宿題を手伝ってもらえることになった。
I couldn’t get my friend to help my homework.
私は友達から宿題を手伝ってもらえなかった。
知覚動詞
知覚動詞とは、人間の五感で感じることを表現したい場合に用いられる動詞です。例として、聞く(hear)(listen)見る(see)(look)(watch)、気づく(notice)、感じる(feel)などがあります。
I listen to my favourite music in the car.
私は車で好きな音楽を聞きます。
また知覚動詞は、以下の例文のように「知覚動詞+目的語+現在分詞/過去分詞」の文型を用いて主語が五感で感じた内容などを表現することもできます。
I saw my mother buying some apples.
私は母がリンゴを買っているところを見ました。
I heard my sister singing.
私は妹が(姉が)歌っているのを聞きました。
句動詞
句動詞は、イディオムや熟語とも言われる動詞と他の品詞が決まりきった形で構成されて意味を成す動詞のことを指します。つまり動詞+他の品詞で1つの動詞となるということです。
動詞+前置詞/副詞:
Please turn on the light.
電気をつけてください。
Please take off your dirty clothes before you get into the house.
家に上がる前に汚れた服を脱いでください。
We are looking for new CD at the music store.
私たちは新しいCDを楽器屋で探しているところです。
動詞+副詞+前置詞:
My brother gets along with his new friends at his school.
私の兄(弟)は、学校で新しい友達とうまくやっています。
動詞の現在形
動詞の現在形を、「be動詞」と「一般動詞」で分けて解説します。
be動詞
be動詞は「~である」や「~にある」という意味で、(人・物など)の状態や、(場所・時)にある[いる]、の意味を表します。
be動詞が述語動詞として登場するのは「第2文型SVC」のみです。
以下の例文は「彼は困っている」という状態を表しています。
He is in trouble.
彼は困っている。
以下の例文は「レストランが~にある」という所在地を表しています。
His restaurant is near the station.
彼のレストランは駅の近くにあります。
be動詞の語形変化
be動詞は主語によって以下のように形が変化します。
一人称 | 単数 | am |
---|---|---|
一人称 | 複数 | are |
二人称 | 単数 | are |
二人称 | 複数 | are |
三人称 | 単数 | is |
三人称 | 複数 | are |
be動詞(否定文・疑問文)
be動詞の否定文は、be動詞の後にnotをつけます。疑問文はbe動詞を主語の前に出します。
【肯定文】
He is a doctor.
彼は医者です。
【否定文】
He is not a doctor.
彼は医者ではありません。
※isn’tは「is not」の短縮形
be動詞を疑問文で使う場合は、be動詞と主語を倒置します。
【疑問文】
Is he a doctor?
彼は医者ですか。
【疑問文】
Are you a student?
あなたは学生ですか?
be動詞の疑問文に対する回答は、「はい」の場合は「Yes,+主語+be動詞」、「いいえ」の場合は「No,+主語+be動詞+否定語」とします。
Are you a student?
あなたは学生ですか?
→ Yes, I am. (はい、そうです。)
→ No, I’m not. (いいえ、違います。)
以下の例文のように、実際の会話文ではYes/Noに続けて、様々な情報を付け加えます。
Are you a student?
あなたは学生ですか?
→ No, I graduated last year.
いいえ、昨年卒業しました。
→ No, I work for a company.
いいえ、会社に勤めていますよ。
一般動詞
一般動詞の現在形は、普段することや習慣的な行動を表します。
以下の例文は、特定の猫の行動ではなく、一般的な猫の行動を表しています。
Cats chase mice.
猫はネズミを追いかける。
以下の例文は、「今サッカーの試合や練習をしている」ということではなく、「ある程度の頻度でサッカーをする」ということを含意しています。
I play soccer.
私はサッカーをします。
以下の例文のように、頻度を表す語句を使ってより具体的に述べることも可能です。
I sometimes play tennis.
私はときどきテニスをする。
I drink tea every day.
私は毎日紅茶を飲みます。
一般動詞の現在形は、主語が三人称単数形の場合にのみ形が変化します。
一般動詞の三人称単数形は、基本的に動詞の末尾にsをつけて作ります。
eat(食べる)→ eats
run(走る)→ runs
sleep(眠る)→ sleeps
語尾がo、s、x、z、ch、shのいずれかである場合は、sではなくesをつけます。
go(行く)→ goes
miss(のがす)→ misses
fix(固定する)→ fixes
quiz(クイズを出す)→ quizzes
catch(つかまえる)→ catches
fish(釣りをする)→ fishes
語尾が「子音+y」の場合はyをiに変えたうえでesをつけます。stayはyの前がaであるため、そのままsをつけることができます。
study(勉強する)→ studies
stay(とどまる)→ stays
have(持つ)は特殊で、三人称単数形ではhasになります。
I have a computer.
私はパソコンを持っています。
She has a computer.
彼女はパソコンを持っています。
一般動詞(否定文・疑問文)
一般動詞の否定文は、主語と動詞の間にdo not [don’t]を入れて作ります。
I don’t eat breakfast.
私は朝ご飯を食べません。
They don’t play baseball.
彼らは野球をしません。
I don’t play video games.
私はテレビゲームをしません。
主語が三人称単数形の場合は、doを三人称単数形のdoesにします。does not [doesn’t]の後にくる動詞は原形です。
Jenny doesn’t drink coffee.
ジェニーはコーヒーを飲みません。
He doesn’t eat meat.
彼は肉を食べません。
Joe doesn’t cook.
ジョーは料理をしません。
一般動詞の否定文は、「Do+主語+動詞の原形~?」で作ります。
Do you eat breakfast?
あなたは朝ご飯を食べますか?
Do they play baseball?
彼らは野球をしますか?
主語が三人称単数形の場合はdoではなくdoの三人称単数形であるdoesを用います。
以下の例文では、doがすでに三人称単数形になっているため、主語の後にくる動詞にsをつける必要はありません。
Does Joe cook?
ジョーは料理をしますか?
動詞の過去形
動詞の過去形を、「be動詞」と「一般動詞」で分けて解説します。
be動詞の過去形
be動詞の過去形は、「~であった」や「~にあった」という意味で、過去の状態を表します。
I was happy to hear the news.
私はその知らせを聞いて嬉しかった。
She was a teacher.
彼女は教師だった。
They were very happy.
彼らはとても幸せでした。
be動詞(過去形)の語形変化
be動詞の過去形は、主語によって以下のように形が変化します。
一人称 | 単数 | was |
---|---|---|
一人称 | 複数 | were |
二人称 | 単数 | were |
二人称 | 複数 | were |
三人称 | 単数 | was |
三人称 | 複数 | were |
be動詞の過去形(否定文・疑問文)
be動詞の過去形の否定文は、現在形の否定文と同様に、be動詞の後に否定語を入れて作ります。
The party was not fun.
パーティーは楽しくなかった。
Tim and Carlos were not friends.
ティムとカルロスは友達ではありませんでした。
以下の例文のように、was notはwasn’t、were notはweren’tに省略することができます。
I wasn’t good at math.
私は数学が得意ではなかった。
We weren’t busy last weekend.
先週は私達は忙しくなかったです。
be動詞過去形の疑問文も現在形と同様に、主語とbe動詞を倒置して作ります。
He was a singer. (彼は歌手でした。)
→ Was he a singer? (彼は歌手でしたか?)
You were good at tennis.
あなたはテニスが上手でした。
→ Were you good at tennis?
あなたはテニスが上手でしたか?
一般動詞の過去形
一般動詞の過去形はすでに終わった動作や状態、または過去の習慣的な行動を表します。
多くの場合、一般動詞の過去形は動詞の末尾にedをつけることで作ります。
He watched a movie yesterday.
彼は昨日映画を観た。
I often played soccer in the park.
私は公園でよくサッカーをした。
以下の例文のように、不規則に変化する動詞もあります。
I went to Tokyo on Saturday.
私は土曜日に東京に行きました。
She gave him a birthday present.
彼女は彼に誕生日プレゼントをあげた。
以下の表は、不規則動詞の一例です。
原形 | 意味 | 過去形 |
---|---|---|
begin | 始まる | began |
break | 壊す | broke |
choose | 選ぶ | chose |
cut | 切る | cut |
do | する | do |
drink | 飲む | drank |
fall | 落ちる | fell |
feel | 感じる | felt |
find | 見つける | found |
forget | 忘れる | forgot |
get | 手に入れる | got |
give | あげる | gave |
go | 行く | went |
have | 持っている | had |
know | 知る | knew |
make | 作る | made |
pay | 払う | paid |
read | 読む | read |
say | 言う | said |
send | 送る | sent |
sing | 歌う | sang |
sleep | 寝る | slept |
take | 取る | took |
teach | 教える | taught |
think | 考える | thought |
understand | 理解する | understood |
write | 書く | wrote |
一般動詞の過去形(否定文・疑問文)
一般動詞を使った過去形の否定文は、主語と動詞の間にdid notを入れて作ります。
主語の人称や単数・複数であるかによって形を変える必要はありません。
He did not eat breakfast this morning.
今朝彼は朝ご飯を食べなかった。
Nicole and Jack did not enjoy the festival.
ニコールとジャックは祭りを楽しみませんでした。
以下の例文のように、did notはdidn’tと略すことができます。
I didn’t know that.
私はそれを知りませんでした。
一般動詞の過去形の疑問文は、「Did+主語+動詞の原形~?」で作ります。
Did you buy a new car?
あなたは新しい車を買いましたか?
以下の例文は、文頭のDidが過去形であるため、主語の後の動詞を過去形にする必要はありません。
主語が三人称単数形であっても、主語の後の動詞にsをつける必要はありません。
誤:Did you played baseball yesterday?
正:Did you play baseball yesterday?
昨日あなたは野球をしましたか?
誤:Did he comes to the picnic?
正:Did he come to the picnic?
彼はピクニックに来ましたか?