このシリーズでは、英文法を例文を使って分かりやすく解説します。今回のテーマは「that節・wh節」です。
that節とは、従位接続詞の「that」で導かれる、名詞節のことです。that節は主語・補語・目的語として用いられます。
wh節とは、「wh」で始まる「疑問詞」または「whether(接続詞)」で導かれる名詞節のことです。wh節は特定の動詞の目的語として用いられます。
that節
従位接続詞の「that」で導かれる節を「that節」と呼びます。「that+名詞節」での「that」の意味は「~ということ」です。
that節の用法
that節は「目的語」「主語」「補語」「同格」の、4つの用法があります。
that節を主語で用いる
以下の例文[1]では、that節を主語として用いています。
主語が長い場合は、例文[2]のように「It」を形式主語として文の先頭に置き、後で「it」の説明として「that節」を置くのが一般的です。
[1] That children read many books is important.
子供たちが多くの本を読むことは重要です。
※that節は「That children read many books」
[2] It is important that children read many books.
子供たちが多くの本を読むことは重要です。
※「it is 形容詞 that」の構文
that節を補語で用いる
以下の例文では、that節を第2文型の補語として用いています。
His problem is that he has a lack of concentration.
問題は彼に集中力がないことです。
※that節は「that he has a lack of concentration」
that節で同格を導く
that節で同格を導くとは、名詞に対してthat節で補足的に説明を加える用法です。
同格の基本形は「名詞+名詞」、「名詞+名詞節(that節)」です。前の名詞を、後の「名詞」または「名詞節」で修飾します。
以下の例文では、that節を用いて「何の」可能性かの説明を加えています。
There is a good chance that the products will sell well.
その製品が良く売れる可能性は大いにある。
※that節は「that the products will sell well」(その製品は良く売れるだろう)
that節を動詞の目的語で用いる
that節は特定の動詞の目的語としても使います。
I hope that you will be able to come.
私はあなたが来れることを望んでいます。
I know that he is a kind person.
彼は優しい人だと知っています。
He admitted that he had made a mistake.
彼は間違っていたことを認めました。
People say that a great earthquake will occur in the region.
その地方で大地震が発生するかもしれないと言われている。
以下の例文のように、「that」の接続詞は省略することもできます。
I think that you will like that book.
I think you will like that book.
あなたはその本を気に入ると思います。
「that節」を目的語に使う動詞の例
「that節」を目的語に使う動詞は、「思考」に関する表現や、「発言」に関する表現の単語が多いです。
「思考」に関する表現の動詞 | 「発言」に関する表現の動詞 | ||
---|---|---|---|
believe | 信じる | admit | 認める |
decide | 決める | agree | 同意する |
expect | 期待する | answer | 答える |
feel | 感じる | argue | 主張する |
forget | 忘れる | claim | 主張する |
hope | 望む | complain | 不平を言う |
guess | 推測する | deny | 否定する |
imagine | 想像する | explain | 説明する |
know | 知る | hear | 聞く |
remember | 思い出す | mention | 言及する |
suppose | 推測する | promise | 約束する |
think | 思う | reply | 返事をする |
understand | 理解する | say | 言う |
wish | ~すれば良いな | suggest | 提案する |
that節の重要構文
ここでは「that節」を用いた重要構文、「so 形容詞 that節」と「such a 形容詞+名詞 that節」を説明します。
so 形容詞 that節
「so 形容詞 that節」は、「とても 形容詞 なので、(that節)です」という意味になります。
I am so busy that I can’t go on the date.
私はとても忙しくて、デートができない。
such a 形容詞+名詞 that節
「such a 形容詞+名詞 that節」は、「とても 形容詞な 名詞 なので、(that節)です」という意味になります。
She is such a smart girl that she is a member of Mensa International.
彼女はとても頭の良い女性で、メンサ・インターナショナルの会員です。
wh節
「wh」で始まる「疑問詞」、または「whether(接続詞)」で導かれる節を「wh節」と呼びます。wh節は特定の動詞の目的語として使います。
「wh」で始まる「疑問詞」には、「疑問代名詞」と「疑問副詞」があります。
【疑問代名詞】
what, who, whose, whom, which
【疑問副詞】
where, when, why, how
wh節の用法
「疑問詞で始まるwh節」と「whetherで始まるwh節」の2種類あります。
wh節は疑問詞で始まる名詞節で、疑問文としての機能も持っています。
主節にwh節を結び付けた文は「間接疑問文」になります。
疑問詞で始まるwh節
以下の例文では、動詞の目的語に、疑問詞で始まるwh節を用いて「間接疑問文」を作っています。
I know who he is.
私は彼が誰なのかを知っています。
※wh節は「who he is」。疑問代名詞は「who」
I wonder what happened.
何が起こったのだろうか。
She explained why she couldn’t come to the party.
彼女は何故パーティーに来れなかったを説明した。
whetherで始まるwh節
「whether」は「~かどうか」という意味で、名詞節を導く接続詞です。
以下の例文では、動詞の目的語に、「whether」で始まるwh節を用いて「間接疑問文」を作っています。
I don’t know whether I should tell you.
私はあなたに教えるべきかどうか分かりません。
You have to decide whether you agree with him or not.
あなたは彼に同意するかどうかを決めなければならない。
wh節と関係詞節の違い
疑問詞の単語は、関係詞(関係代名詞・関係副詞)でも使われ、wh節と関係詞節は似ています。
「wh節の疑問詞」と「関係詞節の関係詞」の判別方法は、「先行詞」があれば「関係詞節の関係詞」、なければ「wh節の疑問詞」です。
但し、関係副詞の先行詞は省略される場合があるので注意してください。
【wh節】
I forgot where I put my glasses.
私どこに眼鏡を置いたのか忘れてしまった。
※「where」はwh節の疑問詞
【関係詞節】
I forgot the place where I put my glasses.
私は眼鏡を置いた場所を忘れてしまった。
※「where」は関係詞節の関係詞
「wh節」を目的語に使う動詞の例
「wh節」を目的語に使う動詞は、「思考」に関する表現や、「発言」に関する表現の単語が多いです。
「思考」に関する表現の動詞 | 「発言」に関する表現の動詞 | ||
---|---|---|---|
forget | 忘れる | admit | 認める |
know | 知る | agree (with) | 同意する |
remember | 思い出す | argue | 主張する |
suppose | 推測する | ask | 尋ねる |
forget | 忘れる | claim | 主張する |
understand | 理解する | explain | 説明する |
wonder | だろうかと思う | hear | 聞く |
care | ~に関心がある | mention | 言及する |
mind | ~を嫌だと思う | reply | 返事をする |
predict | ~を予測する | say | 言う |
determine | ~を決定する | suggest | 提案する |