このシリーズでは英語の色々な類義語を学習します。今回は「重大な」という意味を持つ英単語の使い分けとニュアンスの違いを解説します。
「重大な」の英単語
important, significant, serious, severe, grave, critical, crucial
類義語の使い方とニュアンスの違い
important, significant
important と significant は、物事や出来事などが「重要である」ことを表す形容詞です。
例えば、“The fall of the Berlin Wall was an important/a significant event in world history.”(ベルリンの壁の崩壊は世界の歴史の中でも重要な出来事だった)、“She is an important/a significant member of our team.”(彼女は我々のチームの重要な一員だ)のような表現であれば同じように使えます。
しかし、含まれるニュアンスが多少異なるため、使い分けが必要になる場合もあります。
important には「ある物事にとって、または、ある行為を行う場合に不可欠である」というニュアンスがあります。“It is important to look both ways before crossing the street.”は「道を渡る際には、左右を確認することが大事だ」という意味の例文です。左右を確認することは、安全に道を渡る行為において不可欠です。
また、“Water is important for living creatures.”は「水は生物にとって重要だ」という文意で、水は生物が生きていくうえで不可欠です。このような「不可欠である、必要である」という意味では significant は使えません。
さらに important には「人や物事に対する影響力が大きい」というニュアンスもあります。例えば、“He’s one of the most important politicians.”は「彼は最も重要な政治家の一人だ」という文意です。この important は「影響力が大きい」「権力が大きい」という意味で使われます。
significant
significant には「重要である」の他に「違いなどが著しい」の意味もあります。例えば、“There was a significant difference between the two results.”は「二つの結果には著しい違いがあった」という文意で、significant は違いが顕著であることを表しています。
上の例文の significant を important と入れ替えると、“There was an important difference between the two results.”(二つの結果には大きな違いがあった)となり、違いが顕著であるかどうかは分かりません。
serious
serious は、問題などが「深刻である」という意味で使われる、最も一般的な形容詞です。
severe, grave
severe と grave はどちらも「非常に深刻である」ことを意味し、serious よりも更に深刻な場合に使います。“a severe/grave consequence”(深刻な結果)のように、置き換えて使うことができますが、grave の方が severe よりも硬い表現です。
critical, crucial
critical と crucial は、ある物事が将来的な状況を左右するために「非常に重大である」ことを意味します。
例えば、“an important decision”は「重要な決定」という意味ですが、“a critical/crucial decision”は、その決定がただ重要なのではなく、結果を左右するほど重要であることを意味します。
critical と crucial は同じように使うことができますが、ビジネスの場面では critical の方がより多く使われる傾向があります。
important
[形容詞の主な意味]
(人・出来事・発表などが)(影響力が大きく)重要な。
[発音]
impɔ́ːrtnt インポータント(アクセントは、ポー)
[比較変化]
比較級: more important
最上級: most important
[例文]
It is important not to be late.
訳:遅刻しないことは重要だ。
【BACK】
significant
[形容詞の主な意味]
(影響力が大きく)重要な [硬い表現]。(違いなどが)著しい
[発音]
signífikənt スィグニフィカント(アクセントは、ニ)
[比較変化]
比較級: more significant
最上級: most significant
[例文]
The scientists made a significant discovery.
訳:その科学者は重大な発見をした。
【BACK】
serious
[形容詞の主な意味]
(問題・状況などが)重大な、深刻な。(病気・けがなどが)重い。
[発音]
síəriəs スィアリアス(アクセントは、スィ)
[比較変化]
比較級: more serious
最上級: most serious
[例文]
Violent crime is a serious problem in this area.
訳:この地域で暴力犯罪が深刻な問題になっている。
【BACK】
severe
[形容詞の主な意味]
(不足・問題・病気・被害などが)とても重大な、とても深刻な。
[発音]
sivíər スィヴィア(アクセントは、ヴィ)
[比較変化]
比較級: severer, more severe
最上級: severest, most severe
[例文]
The famine was caused by a severe drought.
訳:飢餓の原因は深刻な干ばつだった。
【BACK】
grave
[形容詞の主な意味]
(状況・責任・危険などが)とても重大な、とても深刻な。[硬い表現]
[発音]
gréiv グレイヴ(アクセントは、レ)
[比較変化]
比較級: graver, more grave
最上級: gravest, most grave
[例文]
He is in grave danger.
訳:彼は重大な危険に直面している。
【BACK】
critical
[形容詞の主な意味]
(状況・判断・出来事などが)(命・成功などがかかっているほど)非常に重大な。
[発音]
krítikl クリティカル(アクセントは、リ)
[比較変化]
比較級: more critical
最上級: most critical
[例文]
They failed to notice the critical flaw in the plan.
訳:彼らは計画に致命的な欠陥があることに気づかなかった。
【BACK】
crucial
[形容詞の主な意味]
(決断・出来事・段階などが)(命・成功などがかかっていて)非常に重大な。(人・物・事が)(~するのに)不可欠な。
[発音]
krúːʃl クルーシャル(アクセントは、ルー)
[比較変化]
比較級: more crucial
最上級: most crucial
[例文]
The problem occurred at a crucial stage of the development process.
訳:その問題は開発過程の非常に重要な段階で生じた。
【BACK】
以上、ご閲覧ありがとうございました。